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耐震補強はZ金物で?

昨日、年配の大工さんが図面を持って来店されました。
某リフォーム会社の下請けで耐震補強の金物が欲しいとのこと。
金物表を見ると、すべて一昔前のZ金物。
今回の耐震補強は土壁の外壁を外して補強金物を合法になるように入れて、構造合板を貼り、外壁を貼る仕事である。
そこにZのホールダウン金物を入れるわけであるが、柱にボルト締めをするタイプであるから、
ホールダウン金物のボルトを締めるためには柱にかんざしボルト穴を開けなければいけないので、
土台天端より30cm近く土壁を落とさないと穴が開けられません。
また、同様に胴差上下と桁下も壁を落とすとなると半端な手間ではありません。
また落とした土の処理から取り省いた後の見た目を考えると何一つ良いことがありません。
ですから、当店の提案として
1.土台上はケミカルアンカーを使っても合法ではないので、すべてビス止めの金物にする。
(本来は土台上は15KN以上の場合、専用のアンカーで引っ張らなければいけない。ケミカルは不可。)
2.胴差上下と桁下はすべて合法のビス止め金物にする。
この年配の大工さん、私の提案のほうが楽なので早速監督に電話するが、説明ができないので、いきなり電話を渡されました。
「すみません。金物屋です。大工さんから金物の依頼をされましたが、そもそもケミカルアンカーは合法ではありませんし、すべてビス止めの金物にしても宜しいでしょうか?」
すると、この現場監督(実は昔、大工さんだったらしいんですが)
「この現場はZ金物の指定になっています。ですからZ金物でお願いします。」
これ以上話をする気にはなりませんので、それで電話は終了です。
大工さんにこのことを伝え、図面と仕様書の隅から隅まで見回し、何かよい方法を探します。
すると、カネシンの金物が載っていますが、どうもカネシンの金物表のコピーのようで左端に
『より使いやすいカネシンの金物をお選びください。』
と書いてあります。これで、一つ回避理由ができました。
他に何かないか?
金物の指定表がありますが、ここにはすべて使いにくいZ金物ばかり載っていますが、よく見るとZ金物記号欄の一番上のマスに
「略称」
と、書いてあります。
正式なZ金物記号の上に「略称」ということは、金物記号を略したものではなく、よくあることなんですが、
”Z金物あるいは同等する金物”の全般の略称と言う意味に取れます。
この話をしたら、大工さんニッコリ笑って二つのページをしっかり折り込み、
「分かった。これで監督に相談できるわ。」
先日、2x4で柱にボルト止めするタイプのSHD15の発注したところ

折り返し電話が掛かってきました。
「すみません、この金物は大抵収めてからしばらくすると返品で返ってくるんですが、本当に大丈夫でしょうか?」
発注側・受注側が分かっていないからこういったことがよく起こるんでしょうね。
プチ自慢で申しわけございません。
それではまた。
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