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海の向こうからの依頼

最近は連日木工機械の難題が続きます。

昨日は知らないメーカーの知らない機種であるパネルソーの修理依頼。

ネットで調べてメールで打診がありました。

場所は衣浦湾を超えた海の向こう側。

有料の海底トンネルを使って片道40分くらいのところ。

直るか直らないか?分からない。

見積に伺って直らなくても手間代を頂くかもしれないことを条件にして伺う。

 

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パネルソーパネルソーでも100V式。

でも作りはそれなりにちゃんとしている。

依頼者ではなく使用者に状況を聞くと音が悪く主軸付近の発熱があるとのこと。

とりあえずモーター回りをバラす。

モーターから刃物軸に掛けている2軸ともベアリングが悪い。

しかし、このベアリングは特殊で小さすぎて番号が老眼鏡をかけても読めない。

ちょうど、イケメンの若い子がいたので判読していただく。

番号は6800Zが2個と6903Zが2個。

こんなベアリングは近くに持って良そうなところはない。

あるとすれば当店の近所。電話すると二つ返事で「あります。」

片道40分掛かるが時間があるので分解したまま、再度海を渡る。

ベアリングを頂くが箱が色あせている。それくらい売れないベアリングだろう。

また海を渡って現地に戻る。

元通りに戻そうとするが、分解した部品の向きが分からないので

何度も組んでみて、納得がいくところで試運転。

今度は正常に動いている模様。

精度も悪いので見てほしいとのことでレールを確認するとチョーガタガタ。

左右と前後の遊びを殺すネジが付いているので

遊びがなくなるギリギリまで攻めて試運転。

異常がないのを確認したら今度は3x6のベニアの左端を1㎝ほど縦に挽く。

次に左端を引いたベニアを裏返してまた左端を1cmほど縦に挽く。

直角の精度が良ければ残ったベニアの上の幅と下の幅が同じはずである。

誤差は1.5mmあった。0mmがベストであるが直角精度はこの寸法の半分だから

1800mmで0.75mmの誤差。

100Vのパネルソーでこれくらいなら許容範囲だと言うことで無事終了。

帰りにお土産まで頂いて恐縮しながら本日4回目の海を渡って帰りました。