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宮大工さんの作業所

宮大工さんの作業所へ行きました。
中で黙々と宮大工さんが神社の本堂の側面の一番上にある懸魚(けんぎょ)の彫り仕事をしていました。
実はその宮大工さん数十年前にもっと稼ぎたくてハウスメーカーの仕事をしていまして、現在は不況の波で昨年亡き親方のところへ戻ってきました。
数十年ぶりに彫り物をしているのに腕が鈍っていないので思わず「まるで宮大工さんみたいですね。」と冗談を言ったら、にやっと笑って「弟弟子に、”彫り方が深いですね。”と言われたよ。」と答えてくれました。
懸魚は付け飾りですが、実物は縦横とも60cmぐらいある結構大きいものですが、取り付ける位置が地上から
10m近く上の為にあまり大きく見えません。当然彫りが浅いと彫ってあるかどうかも良く分かりません。
弟弟子の宮大工さんは宮仕事をずーっとしているのに仕事の出来はブランクのある兄弟子の方が良くみえます。
なぜかを尋ねたら、「俺は親方がまだ40歳ぐらいの厳しい時に教えてもらったが、弟弟子はご隠居の近い時に教えてもらったから、その差だよ。」とのこと。
やっぱりいい仕事を伝えるには厳しさが必要だと思いました。