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先週の解答(日立のスライドマルノコの秘密)

早速ですが先週の解答をいたします。先週の問題は
さて、問題です。
モーターを傾斜すると鋸道が√2倍広がるはずなのに、
日立のスライドマルノコはどうして切断位置が同じなんでしょうか?

でしたが、皆さんから良い回答コメントをたくさん頂きました。
その中でもh168さまから「傾斜ならちょっと上に」と言うコメントも頂きましたが、それが正解です。
まずは図をご覧下さい。

上図のとおり、軸傾斜の中心をわずかに上に上げています。
正確には刃厚2mm使う前提のため、(2√2−2)÷2≒0.4mmで、ベース上面よりも軸傾斜の回転軸をおよそ0.4mm上げています。


この説明をする営業マンはあまりいないと思います。
自分は今から10年以上前に日立の新製品発表会に行った時、たまたまそこに見えた日立の設計が自慢げに
「ウチのスライドマルノコは定寸切り定規を使って切る時に、90度で切っても45度で切っても同じ長さで切れるんですが、どうしてか分かりますか?」
と質問されまして、自分はいつもスライドマルノコを納品するとき、サービスでチップソーを付けて、切れていない刃口板を切る時に45度傾けると
軸傾斜芯がずらしてあるために、刃口の切込みが広めになってしまうのが恐縮しているので、
「こんなことをするよりも刃口が狭いほうが良いんじゃないですか?」
と反論。
「それはそうですが、定寸切りの時に寸法が同じほうが便利でしょ。」
「定寸切り定規なんて現場で使う人はいませんよ。」
「そうですか?」(所詮、日立の設計は現場事情を知りません。)
その後、その場を立ち去ろうとしましたら上の図を見せてくれました。(上の図はその時の図を真似して描きました。)
ちなみにマキタのスライドの軸傾斜回転軸はベース上面と同じ高さです。
またV溝を両傾斜で切るためには、ベース上面より回転軸を約1.5mm上げるとピッタリ切れますが、皆さんはどの位置が良いでしょう。
それではまた。
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