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全ネジの切断

現在は特殊な長さのボルトが必要なとき、全ネジを活用されていると思いますが、
今から30年くらい前までは全ネジではなく、13mmや16mmの黒皮の丸鋼を切断して特注のボルトをよく作っていました。
現在は全ネジを切断砥石でカットして面を取って使われることが多いと思いますが、
切断砥石のご使用は法律では高速切断機か普通のマルノコで行なわなければいけません。
ディスクグラインダーは別売りの切断砥石専用カバーを付けない限り使用禁止です。
建築会社の下請けの現場で事故を起こすと建築会社に責任が掛かります。
直営工事であっても従業員や下請けが同様の事故を起こすと管理者の責任になります。
十分なご理解をお願いいたします。
また、チップソーで切られる方もおられると思いますが、チップソーの場合バリが出にくいため、面を取らなくてもナットが入り便利なんですが、
カット面が鋭利なため、切り口で怪我をされることがあります。
それと卓上切断機や高速切断機で切断する場合チップソーで切断すると切断途中で全ネジが荷崩れをして、
非常に危険です。またその時にチップソーがひずんで再起不能になります。
チップソーで全ネジを切断する時は必ず1本づつ切断してください。


一般には切断砥石での切断が多いとは思いますが、切断砥石での切断後、面を取る際切断砥石の側面での面取りは禁止されています。
(でも、側面で面取りをされる方が大半ではないでしょうか?)
切断砥石の側面での面取りは危険なだけでなく、バリが取りにくく、いくら削ってもナットが、はまらないことがあります。
原因はここになります。
切断した全ネジ
この全ネジの切り口のバリを取るわけですが、ねじ山の角度は一般的に山が断面が正三角形のため60度で削ります。
普通に切断砥石で面を早く取ろうとすると、こんな感じになってしまいます。

これは面を取った時のバリがネジの裏側に曲がるためネジの入り口をふさいでしまいます。
このバリ対策として、どうするか?
バリは削る時に強く押さえるために押えられた力で曲がって発生します。
これは鉋の刃を研ぐ時と同じ原理です。
鉋は刃が付いた後にカエリが出ますが、研ぐ時に押える力が強ければ強いほどカエリが厚く出るため、刃の鋭利さに影響します。
ですから、バリが出るときに出来るだけ強く押さえないように削る。
あるいは弱い力でも削りやすいWAなどの削りやすい砥石を使うことがいいと思います。
先ほどの全ネジを同じ条件で弱く削ってみます。

この程度のカエリならナットが入ります。
以上、ご参考にして下さい。
それではまた。
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