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スライドのお話 その3

どうしてマキタが売れないか?
それは単純な理由でした。ストレートに言うと「精度が明らかに悪い」
これには深い理由がありました。
実はスライドマルノコを開発した日立工機は2本ポールのスライド方式に実用新案(PAT)を取っていました。
マキタのスライドマルノコの歴史は、この日立の実用新案との戦いとも思われます。
LS1011は日立の2本ポールを回避するため、ベース下に1本だけのポールスライドにして、
ポールだけではスライドする部分全体がスライド軸を中心に旋回してしまうため、ポールに溝を入れて、
旋回を止めるピンを挿入し、上部を水平にスライドさせるわけですが、
実際には、
・ポールが1本
・旋回軸の切込みがある
・スライド部分から刃までが遠い
以上の理由で、肝心な精度部分である刃先の遊びが日立の倍以上大きくなっています。
スライドマルノコの精度を調べる方法としてスライド軸を45度傾けてください。
その時にハンドル部分を上から下に押さえて使いますので、左右の遊びが大きいと刃を左に寄せながら動かすため、
正規の進路より若干左側から入ってしまいます。
チェックする場合はこの状態でハンドルを刃が触れる方向(左右)に動かしてみてください。
日立とマキタの差は分かると思います。

ちょうど、この頃リョービもスライドマルノコを発売しました。
リョービもマキタ同様、日立の実用新案回避のため、構造は日立のC8FBと同じ構造でポールの代わりに
アルミ合金のスライドレールを採用しました。
でもアルミのレールはゴミが入るとアルミのレールに傷がつき、すぐに動かなくなる致命的な欠点があり、
すぐに廃盤になりました。実際には数年後、日立のC7FSAの緑の樹脂をリョービの臙脂(えんじ)色に変えたものを
日立工機に作っていただき1000台ほど販売したそうです。
ちなみに最近また同様のことを行っているようです。

http://www.ryobi-group.co.jp/projects/powertools/products/item_detail.php?itid=393&cid=4&csid=142&ckbnid=1&pf=2


話をマキタに戻しますが、失敗作のLS1011に代わっての新型LS1012は下側2本ポール式にしました。

しかし、それでも下側のスライドは刃までの距離が長く、精度は日立に及ばず、
一回り大きいLS1211では初めて精度のよい上スライドにしました。

この機種は直径が6cmくらいの太いポールの左右上下に4本の溝を入れて回転させないようにしてあります。
精度はかなり良くなりましたが、305mmクラスのマルノコのため、バランスが取れていますが、
これ以降、売れ筋になる190mmクラスには、ちょっと大きすぎて実用的ではありませんでした。
続く
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