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刃物の摩耗 その1

刃物の研ぎ方には色々持論を持っておられる方がおられ、聞くたびに勉強をさせられます。
しかし、刃の摩耗の詳細の話はあまり聞きません。
一般には「刃が止まる」「刃が切れやむ」なんて言いますが、どうして切れなくなるか?
理由は刃先が摩耗するからである。これは当たり前のこと。
でも、この摩耗の詳細に触れる話をする方がないので、自分なりの意見をさせて頂きます。


持論1:
刃物は切る時に摩耗せず、切れず滑った時に摩耗する。
鉄工ドリルで鉄に穴を開けると良く分かると思いますが、
ボール盤で切り屑が出続けている状態で穴を開けるといつまでも穴が開いて、しかも刃先が磨耗しない。
電気ドリルで同様の穴あけを行うと腕力のあるうちは押さえが効くので何とか開くが、
少し力を抜くと切り屑が出ずに刃だけが磨耗するようになる。

この状態では対象物が削れずに、刃先だけが磨耗することになる。
うまく削り屑が出る場合、

刃先が対象物を裂いている状態になるため、刃先が当たらず、刃先を磨耗しにくい状態であると思われる。
(決して、いつもこういった状態と言うわけではないが、このような時が多いため磨耗が少ないと言う意味である。)
”鉄工ドリルが焼ける”という表現は、摩擦熱により刃先が高温になるため酸化して黒くなるわけであるが、
焼けたから切れないのではなく、切れなかったから焼けるという表現の方が正しいと思います。
昔、手鋸の目立てでヤスリを使っている時は、まさにそのものであった。
力一杯加圧を掛けて削る時はヤスリも長持ちするが、加圧が弱いとヤスリの刃がすぐにつぶれて使えなくなります。
木を削る作業も同様と思われます。
鉋も削り屑が出続ける間は裂いている時間が長いため刃の磨耗も少ないと思いますが、
削れずに滑らせたり、返しで擦ったりすると、刃持ちが悪いような気がします。
また、合板は樹脂が含まれ、樹脂は裂くことができず、常に刃先に密着しなければ削れないため、
刃持ちの悪さに関係があるような気がします。
これに関して、皆さんのご意見をお待ちしております。
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