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先週の解答(切断砥石)

今回の問題には正解はありません。
皆様から色々な意見を図々しくも頂戴したいと言う魂胆を元に問題とさせていただきました。
色々とご足労頂き増して、大変恐縮しております。


とりあえず先週の問題は

先日、切断砥石を購入しようと来られたお客様が、厚みの厚い雷鳥と厚みの薄い金の卵の2種類を見て
「どっちが切れる?」(前にも言いましたが「切れる」は曖昧な表現で正確には「調子がいい」と同義語)
と質問されるので
「厚い鉄板を切る場合は薄い砥石、薄い鉄板を切る場合は厚い砥石。」
と答えると
「はーっ?」
どうも納得されなかったようです。
さて今回の問題ですが、このあと、どう説明したらこのお客様が納得されるか?
でしたが、この時のお客様、廃業間際の方でしたので、両方とも持っていかず、
厚い雷鳥を1箱お買い上げにありました。


とにかく切断砥石は鋸道分、金属を削ることにより切断します。
そのため削る量の少ない薄い砥石のほうが早く切れます。
また薄いと摩擦抵抗が小さいために切断部分の温度上昇量が少なくなります。
砥石で鉄を切断するときに鉄が赤くなると粘度のようになるため砥石の凹凸で柔軟性の高い鉄を削れなくなります。
ですから、より低い温度で切れる薄い砥石は厚みの違い以上に早く切れます。


それでは薄い砥石がトタンを切ると極度に寿命が短いか?
今度は切込み量の問題になります。
以前の記事で粗いセーバーソーの刃が良く切れる話をしましたが、
粗いセーバーソーが早く切れるのは厚みの厚いもの場合です。
粗い刃でトタンを切るとトタンが刃の間に入ってしまい、刃先でトタンを削るのではなく、
刃元付近に入ったトタンの切り口を強引に引きちぎるように切る形になります。
するとトタンがひずんだり刃が止まったり、最悪刃が飛びます。


切断砥石の場合、厚い刃でも薄い刃でも粒度は変わりません。
しかし厚い切断砥石だと常に切り口に複数の砥粒の先端が当たりますが、
薄い切断砥石の場合、砥粒の先端が1個だけだったり、あるいは完全に砥粒先端がトタン切断面をまたぐ場合があります。
すると砥粒の先端の切込み量が大きすぎてしまい、砥粒が脱落しやすくなります。
特にディスクグラインダーの場合、厚み1mm程度の鉄板切断の場合、刃が挟まって砥石芯が移動してしまい
一時的に切断面積が小さくなります。
その時に砥粒の切込み量が大きくなるので、砥粒脱落現象が発生しやすくなります。


まとめとして、切断中の面積が大きすぎると切れず、小さすぎると砥粒が脱落しますので、
一定の切断面積が確保できるように切ることが長持ちするコツだと思います。
手鋸で木を早く切るときも同様だと思います。
(切り始めは切断墨に対して平行に近い角度で切って、切断面積が大きくなると無意識に鋸の挽く角度を変えて切っていますよね。)