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エアで釘を速く打つには その1

先日のかたさんさまのコメントで
> 普通圧の釘打ち機を使用したい場合、ソケット型のコンバーターを機械の手前に挟む方が多いですが、機械を傷めるという噂があるので(本当でしょうか)、自分はやりません。
 そこで、コンプレッサの取り出し口にコンバーターを付けて、普通圧ホースを繋いで使うというのは、アリなんでしょうか。この場合、機械を傷める心配は減るのでしょうか。
という内容のコメントがありました。
もちろん高圧コンバーターで機械を傷めると言った症例は聞いたことがありません。
ただ高圧コンバーターでご存じの方が多いと思いますが、
高圧コンバーターは常圧ビス打ち機には有効ではありません。
ビス打ち機はエアモーターを使う都合上、普通の釘打機よりも多くのエアを消費します。
高圧コンバーターは小型化するために減圧するための弁の面積を開き具合が
通常のコンプレッサーについている減圧弁よりも小さいために、エアの流れが悪くなります。
エアの流れが悪いとエアモーターの回転も遅くなります。
ビスを締めるために必要な回転数は決まっているわけですから高圧コンバーターを使うと
ビス打ち機の作業速度は直接常圧取り出し口よりも遅くなります。


それでは、減圧弁を大きいものにすれば、ビス打ち作業が早くなるかと言えば、
大きくしてもそれほど変わらないでしょう。
これはあくまでもコンプレッサーのエアが無尽にある場合の話ですが、
全く同じビス打ち機でも常圧と高圧(常圧の本体に減圧弁が付いているだけである)では
明らかに高圧の方が早く打てます。
これは高圧コンバーターの理論が違ってきますが、高圧コンバーターについている減圧弁は
ビス打ち機の機能に合わせているので、エアの流れに影響があるほどではございません。
高圧ビス打ちが早いのはビス打ち機に必要なエアが近くにあるからです。
ビス打ち機で打つのに必要なエアはホースから取り入れます。
90mm釘打機を1発撃つとホースで「ピュー」と音がします。
この音は釘打機の中に入っていたエアを使ったがために、そのエアを補う音ですが、
1発分を補うだけでも結構な時間がかかります。
普通の釘打機は1発分は、その釘打機の中にあるエアで打ちこんで、すぐにホースから充填しますが
ビス打ち機は、ほとんどホースからのエアで打ちこみます。
そのためにも、少しでもビス打ち機よりに多くのエアが必要となります。
例えば20mのホースで同等の常圧ホースと高圧ホースの場合、ホースの中にあるエアは
常圧:内径半径0.35cmx0.35cmx3.14x20000x7気圧=53851cc
高圧:内径半径0.25cmx0.25cmx3.14x20000x20気圧=78500cc
と、なり高圧ホースが細いことを見込んでも、高圧ホースの方が常圧よりも1.5倍以上のエアがあります。
(実際には高圧プラグの穴が小さくエアが流れにくいのと、ホースが余分に膨らむことの考慮は無視します。)
2x4工場で使う自動釘打機の中で、特にエアの消費が大きいものは、
釘打機の手前にパワーパックと呼ばれるサブタンクを設置してあります。
これは、少しでも、釘打機よりにエアをたくさん用意することによりパワーと速射性を高めています。
続く