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軽薄に弱い金タマ

先日のkamiさまの記事で
厚材薄材に適した刃厚ってのは理解してるつもりですがグラインダーに有った作業ってのは???
http://ameblo.jp/cosmo20/entry-12127270174.html
と言うお話がございました。
ここで言うグラインダーはディスクグラインダーで、刃厚は切断砥石のことだと思いますが


最初に前置きをします。
以前も書きましたが、ディスクグラインダーは切断砥石を使う機械ではございません。
あくまでも鉄を削る機械です。
鉄工所のバリ取り作業を「サンダー掛け」と言うところから別称「サンダー」と呼ばれています。
でも建築業界では当たり前のように切断砥石を付けて使われています。
これは違法であり事故があれば自己責任。親方が作業者に作業させれば監督責任が生じます。
メーカー責任もありますので、別売りで切断砥石専用カバーが用意されていますが
作業者が知らなければ販売店の大半も知らない。
メーカーの営業マンも知らない人がいるとか。


これを踏まえたうえで、
板金屋さんは大抵ご存じだと思いますがトタンのような薄鉄板を最近流行の
通称「金タマ」の金の卵と言う極薄切断砥石で切ると、
砥石があっという間になくなってしまいます。
金の卵が売れているのは厚い鉄板に使うと軽く早く切れることが理由です。
逆に厚い鉄板がなかなか切れない厚めの切断砥石でトタンを切ると普通に切れますが砥石がほとんど減りません。
と言うことで結論から先に述べますと


薄い切断砥石は厚い鉄板または鉄筋棒用


厚い切断砥石は薄い鉄板用


と言うことになります。
厚い砥石が切れない理由は説明するまでもないと思いますが
トタンを切ると厚みの違い以上に薄い砥石が見る見るうちに減ります。


これは砥粒の切込み量に関係してくる問題で話せば長くなりますので、今回は簡潔に。


切断砥石は砥粒の焼結帯です。
砥粒が鉄に食いこんで鉄を削りだすので鉄が少しづつ削れて鉄を切断します。
厚い鉄板を切るときは砥粒がそれほど鉄板に食いこみません。
ところがトタンのコバに薄い切断砥石が触れると砥粒が思いっ切りかぶりつきます。
すると鉄を切りながら砥粒が脱落します。
食いこまないようにゆっくり押さえてもトタンが不安定なため触れると退避し
その反動で戻ってきて砥粒に食い付いて、また砥粒が脱落します。


厚い切断砥石の場合は砥石幅があるために
それほどトタンのコバに食いこまず砥粒の脱落が起きにくくなります。


ですから、トタンや軽天材など薄鉄板を切断するときは金タマ厳禁でお願いします。
砥石が早く減るだけでなく、砥粒が目に入りやすく危険です。
そのためにも切断砥石専用カバーが必要になります。
最近125mmタイプなどの大きいサイズの発売されました。
一時の横着が一生を悔いの残ることになりかねません。
それではまた。