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刃物の話(逃げ角)

刃物を研ぐ時に刃を付ける角度を研ぎ角と言いますが、
刃物は研ぎ角だけでなく削りくずを排出する「すくい角」と忘れがちな「逃げ角」を忘れてはいけません。
鑿の場合はどちらも手加減で自由に変えられるので関係ありませんが、
手鉋や機械刃物にとっては研ぎ角以上に切れ味に関係してきます。

手鉋の場合の図になりますが、すくい角は0度の場合は削りくずをすくっていない状況で、
角度が大きくなるにつれて、削りくずを起こさなくなりますので突板を突く縦突きスライサーは
刃物のすくい角を90度近くすることによって、厚さが20mm以上可能なようです。


それよりも忘れがちな逃げ角ですが、例えば超仕上鉋の場合、研ぎ角を大きくし過ぎると
逃げ角がなくなってしまい刃が材料に食いこまず
刃を極端に出すと削れるけど引っ込めると削れない症状になります。


角のみや木工ドリルの刃も研ぎすぎると毛引きばかりに気を取られ、
メインの本刃の逃げ角がなくなって切れなった刃も目にします。
チェンのみの刃も本来は顎(内側)を研ぐんですが、
背(外側)研ぐ方は何度も研ぐと逃げ角がなくなって切れなくなります。


もっとよくあるケースが鉄工ドリル。
刃を研ぐ時にドリルの中心を回して研ぐ方。
この研ぎ方ですと逃げ角が0度になるので刃が食いこまず切れません。
研いだ外周ラインが水平ではなく刃先を上に向けた時刃先が一番高くなるようにしないと切れません。


手鉋のように切れ肌を問うものは別として、それ以外の刃物は逃げ角を意識して研いでください。