PVアクセスランキング にほんブログ村

分(ぶ)

先日、大きな間違いに気が付いた。
尺貫法の場合、長さの単位には里・間・尋・尺・寸があるが
「分」と「厘」は、長さの単位では無いことである。
「9分9厘間違いない」とか「一寸の虫にも五分の魂」と言われるように
分と厘は長さの単位ではなく「分=1/10」「厘=1/100」を意味しているようで
3分のボルトの太さと言ったら1寸の30%の太さのボルトと言う意味らしい。


その昔「割」という言葉がなくて現在の1割がかつての1分だったようであるが
1寸の定義さえ近年まで曖昧だったらしく、寸の単位は戦後使用禁止になり
大工さんは製造元により、闇で出回っている曖昧な寸目のさしがねで墨付けし
今から40年ほど前に、永六輔さんが声を上げて条件付きで寸目のさしがねが使えるようになりました。
http://kenso3471.blog37.fc2.com/blog-entry-279.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BA%E8%B2%AB%E6%B3%95


自分がこの業界に入った時、昭和10年生まれの両親ともそうであったが、1cmの長さはピンと来ず、
1寸なら分かるので、「(必ず)寸で言え!」と叱られた。」
戦前の教育で育った、m法を知らない年代のお客様がほとんどだったので、父の言われることは正しかった。
逆に自分は何でも寸で言われるので、当時はブチ切れていたが、
慣れてくると両方理解できる方が便利なことが分かった。


話を戻すが3分ボルト場合正確には「W3/8」(ウイット8分の3)と言うが
未だに3分もM10も同じと思っている方が見える。
あまり否定することは好ましくないが否定しないがために迷惑をかけてもいけないので
必要に応じて否定する。


建築関係以外では尺貫法を一切使わなくなった。
また寸で教育を受けている方がほぼ全員退職されたために間違った解釈をされていることがある。
それは3分ボルトの「3」は「分母が8の時の分子」
4分ボルトなら表記は「W1/2」だから「4/8」で間違いではない。
しかし、3分、4分と呼ばれるようになったのは、戦前にボルトが日本に入った時、
当時の日本人が理解できる単位は尺貫法しかなかった。
そのためにW3/8とは言わず、太さの「さんぶ」と呼ばれたことが由来のようであるし
建築関連の方なら説明の必要はない。
普通の(両頭)グラインダーと区別するためにディスクグラインダーとは言わず「サンダー」と呼んだ時代ですから。