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目指すべきもの その2

メーカーは、一企業であるために、利益を優先しなければいけない。
しかし、目先の利益にとらわれると将来の利益を見失ってしまいかねない。
今回のスライドにしかり、付加価値を付けるために同じ刃物で余分に切れる深切にした。
例えば、一番売れている190mmのスライドの切りこみ深さを60mmから74mmにしたところで
メリットがあるか?
しいて言うなら右傾斜の時に数ミリ余分に切れるのがいいくらいである。
しかし、問題は無視されているデメリット。
深切にするとフランジを小さくするために刃がブレやすい。
それだけではない。
主軸も細く、それを受けているベアリングも小さく、ギヤも小さい。
スライドマルノコの大切なことは、切断能力ではない。
もちろん切断する速さやパワーも関係ない。
とにかく精度が命である。
しかし、精度はカタログ表記しづらい。
かつて某メーカーのスライドマルノコが
「二段スライドだから精度が良い!」
こんなことは絶対にありえない。
電子制御で「定速回転だから、綺麗に切れる!」
これは誤字だと思います。
正しくは「低速回転だから、粗目に切れる!」の方があっていると思います。
それと日立は、かつて6寸〜8寸スライドの発売により、190mmスライドを普及させた。
その後、尺スライドを発売したが、当時は1x6のフロアに突き付けが目的であったが
近年のマルノコの使い勝手が良くなったのもあって、スライドマルノコでフロアを切る方が激減した。
また、現在はサブ機としての購入を考えている方が多いので、7〜8寸くらいのスライドの方が
精度も良く、軽く、小さく、安くなるため、市場の要望は多いと思う。
未だに日立のC7FSシリーズが現役で活躍しているが、実は現在部品補給中止になっている。
当然故障して要部品交換の場合、修理不能である。
だから、8寸スライドの市場はまだまだあると思う。
小さいスライドに関して、これからは充電スライドに移行するかもしれない。
いずれにしても、メーカーには、もっと現場を知ってほしい。
生産業界ではこんな言葉がある。
「現場のことは現場聞け!」
ここ言う”現場”とは建築現場ではない。生産現場のことであるが、
市場で活躍できる製品を求めたいのであれば市場の現場の声を聞いて、使用している現場の内情を知ってほしい。


ある立派な建築会社の社長の口癖です。
「あなたは、今日のために一生懸命働きますか?それとも10年先のために働きますか?」