日立が世にインパクトドライバーを出したのは今から30年近く前。
それまではクラッチ式の充電ドリルドライバーが主力でした。
その時、国産は日立とマキタと松下(現パナソニック)の三社。
リョービはパナソニックのOEMでした。
当時から日立もパナソニックもTハンドルでしたが、
その中でマキタだけがPハンドルを貫いていました。
マキタのPハンドルは大半の方が人差し指でスイッチを押していましたので
Tハンドルと比べ使いにくいという声が多かったようです。
当時20代の小僧がベテランの職人さんに
「スイッチを薬指で握ったらバランスが良くなりますよ!」
この言葉に対して無視はされませんが、素直に変える人は記憶にございません。
話が逸れてしまいましたが最初の日立インパクトドライバーは、前作がインパクトレンチWH8Dでした。
インパクトレンチなら強く押さえる必要がないため、PハンドルよりもTハンドルの方が使いやすいでしょう。
全く同じ機械のアンビルを四角からビットスリーブに変えただけのインパクトドライバ
第一号はテクスを締めるのに良い!と言う触れ込みだったため
今では考えられない無段変速機能無しのインパクトドライバWH8DAだったため
半年後に慌てて無段変速付きのWH8DBが発売され、この形状にマキタも右に倣えとなりました。
押さえやすいPハンドルは現在忘れられています。
18V主流の現在、インパクトドライバーをPハンドルにすると
押さえラインから遠く離れた大きなバッテリはバランス面から言って不利になります。
スイッチのハンドル部を短くすればいいのですが、
過去にボッシュのハンマードリルや振動ドリルのスイッチハンドルが
人差し指に握ると小指がハンドルにかからないほど短く
スイッチを中指か薬指でないと持てない形状でした。
元々、手の大きな西洋人が使っていたモデルですから欧米では問題がなかったんですが
そのまま日本に輸入されたとき、全く売れませんでした。
未だに日本中に販売店やメーカーの営業マンでもPハンドルの正しい持ち方を知らない人が多いようです。
Pハンドルの再普及の前に、Pハンドルの正しい持ち方とその良さの理解を頂くことが先決でしょう。