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永遠の貧乏性


これが愛用の面取りドリル。
実はお客様が
「これが折れたから、新しいのをくれ!」
と根元付近で折れたものを研ぎなおして使っている。
鉄工ドリルは穿孔抵抗を減らすために刃先より刃元の方が1/100mmほど細い。
また、螺旋(らせん)部分の前方のみ半径が大きく、後方は細くなっている。
それと折れにくいように芯厚(中心部の厚み)が根元に行くほど厚くなっている。
そのため根元で折れた鉄工ドリルを復活させるには、それなりの手を加える必要がある。
今回は皿取り兼用にするため刃先角を90度にする。

皿頭の角度は90度よりも大きいと思っている方がみえますが、基本90度になります。
普通の鉄工ドリルの刃先角は118度。
それよりも角度を小さくすると抵抗が小さくなると勘違いされている方がおられますが
刃先角は180度が一番抵抗が小さくなります。
理由は刃の当たる長さが短くなるためです。
そのため抵抗を小さくしなければいけないステンレス用のコバルトドリルは135度くらいで研ぎます。
さすがに180度は芯が決まらないので使えませんね。
側面が全面当たるドリルは軋(きし)んで切れませんから、アサリ出し加工をします。

この部分を削ればOKです。


最後にシンニング。
芯厚が極端に厚くなっていますので、思い切り落とします。

これで3mm穴でも皿取りできますし、下穴なしでそのまま鉄板に穴開けできます。