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替刃式超仕上

日立やマキタでは一般的になっていますが、基本的にはすべて兼房製です。
http://www.kanefusa.co.jp/products/001989.html


日立はマキタの場合最初から替刃しか使えない設定になっているため
専用の取り付け金具が付いていますが、兼房製の場合は本来の研磨式の表刃と裏刃を組み合わせた中に
替刃が収まっています。


実は、最近立て続けにこの兼房製の超仕上用の替刃ブロックを販売することがあり
使われた後の感想が
「替刃は違う。」「やっぱり良いわ。」「手じゃあれだけ削れん。」
と、朗報ばかり頂いておりますが、
このような話では、どんなところがどういう風に良いのか分かりません。
言葉では表現しにくいので、こういった表現になるのではないかと思います。
原理的なことは説明しづらいので後日とさせていただきますが、
この替刃式の刃物を作るにあたり、ある取引先の棟梁からこんな話を聞きました。

「そもそも機械の刃物を取り替えることは仕事の効率が悪いので兼房にあった時に『超仕上の刃ぐらい替刃にしろ。』と言ったら、しばらくして試作を持ってきて『これを使ってみてください。』と試作品を置いて行った。その刃で削りものをすると調子が良いので兼房を褒めてやった。」
とのこと。
この棟梁には失礼かもしれないが兼房もこの件を以前から考えていたようで
方向性が一致したために試作を持ってこられたのではないかと思われる。
基本的に原理は手鉋で言う糸裏部分をえぐって作った刃である。
これは「技秀と同じだ」と言われますが元々技秀は兼房の替刃式刃をカットして作ったものなので
面を取ってあること以外は全く同じものである。


棟梁の話を伺ってからしばらくして、棟梁の息子さんに
「超仕上の替刃って、2枚を合わせて作ったの?」
「そんなはずはないですよ。兼房の工場見学したときに専用の加工機が見学通路から見えないところにあって、そこで加工していたのをこっそり見たから。」
でも、念のため兼房に確認しました。
「すみません、超仕上の替刃は2枚を合わせているのではないですよね?」
「もちろん1枚の鋼を削って作っています。」
「でも〇〇建築さんのところで替刃を落としたら裏と表が剥離したように割れたようですが?」
「あ〜!それは試作品ですね。当時は加工できる機械がなかったので、2枚別々に作ったものを、貼り合わせていました。」


要するに、替刃は出来上がる製品に価値があるのではなく、それを作る製法に価値があるようです。
だから、加工しているところは「関係者以外立入禁止」になっているようです。


どこかで「俺はEDだから入れる。」と聞こえているような気が・・・。