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先週の解答(N釘とカラーN釘)

それでは先週の解答を致します。
先週の問題は、N釘の手打ちと機械打ちの違いで


某釘打機メーカーの設計から伺った機械打ちの方が釘が抜けやすい理由とはいったい何でしょう?


でした。
すでに正解が多数出ておりますが、改めて解説いたします。
上の画像をよく見ると機械打ちだけが釘先が微妙に尖っていません。


通常の手打の釘は「ダイヤモンドポイント」と呼ばれ、手で打った場合に入りやすい形状になっています。
機械打ちの場合、故意に先端の尖り方を控えめにしたうえでさらに角度も鈍くしてあります。
業界では通称「鈍角」と呼ばれているダイヤモンドポイントの一種になりますが、
鈍角のN75を手で打ったら打ち始めが素直に木に食い込まないため打ち込みにくいと思われます。
機械で打ち場合は発射口で釘を保持しながら打ち込むために打ち込み時に釘が倒れることはありません。
今回の問題はその後です。
通常の鋭角の釘先端は木の繊維をかき分けながら侵入します。
釘の引き抜き強度は木の繊維が戻ろうとして釘を挟みつけるために大きな摩擦抵抗が発生します。
また、追い柾に釘を打つと先端が鋭角の釘は冬目を避けようと先端が曲がりますが
これを鈍角にすると先端の影響が出にくくなるために釘が曲がりにくくなります。
おそらく機械打ちの場合、釘曲がりを避けることを優先するために鈍角にしているもとの思われます。
ただ、今回の問題は理由がその部分ではなく
鈍角で打ち込んだ場合、木の繊維を避けるというよりも木の繊維をつぶしながら打ち込みやすくなります。
ちょうど、機械打ちのスクリュー釘に使われている通称「鑿先」のチゼルポイントと同様の効果があります。
これにより、木が割れにくく、曲がりにくく詰まりにくい機械打ちに適した形状と言えるでしょう。
その反面、木の繊維を損なっておりますので、抜けやすい釘になるようです。
ですから、同じカラーN釘でも手打ちの方が抜けにくいと思われます。
N釘=太い釘
と言うイメージがありますが、あくまでも手打ちの丸釘と同じ太さですので、ご注意願います。