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やっぱり脱・深切

スライドマルノコの修理品が届きました。

今は無き名機(※「器」ではありません)旧モデルのC7RSHである。
依頼内容は別の職人さんから譲り受けたものがモーターから臭いにおいがするとのこと。
症状を確認するとカーボンブラシの向こう側の蓋の締まり具合(ツッコミ歓迎)が悪く
モーターが気持ちよく回転しなかったとの可能性あり。
他に回転テーブルを固定するバーの止め輪が欠損していた。
ただ、梱包が気になっていた。

本体は旧モデルなのにケースは新モデルである。
ここで推測されるのは、元の持ち主が買い替えた可能性が高い。
普通にこんなことを考えるのはただのスケベ根性であるが、修理の場合、色々なケースを考えて処理しなければいけない。
もし買い替えたとすると旧機種の調子に問題があったことになる。
モーターが臭くても使用上は問題がない。
普通ならこれくらいのことで買い替えるとは考えづらいので、肝心なところをチェックしてみる。

定規を当てると画像では分かりづらいが右側の背中の定規が奥に傾いて逃げている。
これだと使い方によって精度が狂うことになる。
これが買い替えたとした場合の理由になりうる。
ここで依頼者に電話すると、予測が当たっていた。
本来なら新型のC7RSHCよりも旧モデルのC7RSHの方が精度が良い。
新型の利点は深切で厚みが74mmまで切れると言うことであるが
旧型の60mm切れたら、それを超えて74mmまでの切断なんてほとんど必要がない。
深切の問題点は、

フランジが小さい(旧40mm・新35mm)ことと言われますが、それ以上に問題なのが

この部分。ここは主軸の精度の命となる主軸受けのベアリングボックスになります。
主軸の裏側になりますが、60mmを超えて74mmまで切ろうとするとベアリングとそのボックスの外径を
半径14mmだから直径で28mm近く小さくしなければいけません。
そんなことをしたら刃が振れやすくなるのは目に見えています。
さらにベアリングを小さくするとベアリングの内径も小さくなるために
主軸も細くなります。
唯一マキタに勝っているビス打ち機とスライドマルノコでありますが
両方共改良したつもりで「改悪」になってしまっております。
新型は望みませんので、せめて元の型に戻してほしいものです。