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錯覚

「リップソーの刃をほかのところで買って替えたが、最初から切れないので1枚切れる刃を頼んで。」
との依頼で、リップソーで使う刃の見積もりを依頼する。
この刃は負荷が大きいためにピンホールと呼ばれる空回り防止穴がある。
本体は基本仕様10馬力ではなく増し馬力の15馬力にしてあるので、念のため現地で確認する。


正式には縦に挽く機械なので「リッパー」と言います。


チェンと呼ばれるキャタピラのようなもので刃の左右を挟みながら挽き割り
木が割れて広がろうとしても広げずに挽くため、アテでもまっすぐに挽ける。
とりあえず刃物を確認。


355x40Pでピンホールが1個開いている。
チップソーは摩耗しているが、最初から切れなかった刃物とは思えないだけでなく
今回見積依頼したものと同メーカーの同品である。
見積依頼した業者に確認するが
「今回は刃物が切れないと言われましたが『切れない』=『調子が悪い』だから間口を広く考えないといけないんですが。」
というと
「切れないって言ったらそういう意味ではなくやっぱり切れないんでしょ。」
「それなら先にお客様に確認します。」


今度は依頼者に確認すると
「薄いものは切れるけど、厚いものは止まっちゃう。」
ここでピンときました。

ベルトが(伸びたのではなく)緩んでいました。
これだと大きな負荷がかかった時、ベルトが滑り、刃が止まって切れません。
すぐにベルトを新品に交換します。


新品なので幅がやせておらず、プーリー外周より出っ張って大回りするので、ベルトが張ります。
これで新品のチップソーを正規に注文します。
「やっぱり刃が切れなかったわけではなく刃の調子が悪かったようでした。」
もちろん返答はノーコメントでした。