スライドマルノコの普及し初めの頃、モーターのベアリングの緊急修理が多かった。
ところが、ある時を境に全くなくなった。
要因は塩ビシートだと思われる。
昔は塩ビシートを粉末状にカットしていたために
その粉末が冷却されるモーターを通過するときにベアリングに付近に付着し
それが熱で溶けて、モーター停止後、硬化しモーターをロックさせる。
一度溶けた塩ビはベアリングから離れることはないので
ベアリング交換をしないと使えないため、お呼びがかかる。
当然ながら売れ筋のベアリングは常時営業車に積載してあるのでいつでもGOである。
昨日スライドマルノコの修理が2台依頼された。
とりあえず下のC7RSHは音が悪いとのことで確認すると久しぶりのベアリング不良。
他に悪いところがないか確認するとスライドが重い。
使えない状態ではないので所有者に確認すると替えなくても良いとのことであったが
数十分後に「やっぱり替えてほしい。」とのことで
スライドするベアリングを交換することに。
ところが、分解してみるとちょっといつもと違う。
いつもはMDFの粉末がベアリングのグリスと混ざって
ボールが動かなくなっているんですが、
今回はMDFの粉末が全くない。その代わり、グリスも全くない?
これはどういうことか?
そう言えば、最近ボールブッシュを交換していない。
あらためてスライドマルノコを確認すると
なるほど・・・・。
カット後に出るMDFの粉末が従来のスライドマルノコならポールの上に落ちて
グリスを含んだボールブッシュが拾ってしまうが
今の横スライドならMDFの粉末がポール側に落ちない。
これなら修理がない理由も納得できる。
使う材料や工法、機械の構造の変更などにより修理も変わってくると言うことである。
今後、生き残り組に入るためには、そのあたりの読みも必要とされる。