インボイス制度導入となると2023年10月から施工されるために
大工さんに依頼する元請けは全下請けに対して
適格請求書発行事業者の番号提出を求められるでしょう。
消費税を納めていない年商1000万円未満の下請けは
適格請求書発行事業者ではないために、事前に
消費税課税事業者選択届を税務署に提出して
課税業者にならなければ、いけなくなるでしょう。
当然10月から、と言うわけにはいけませんから
その前年の2022年には提出することになるでしょう。
4年後のことですが提出は2年後のことですから
そんなに先の話ではなくなっています。
免税業者が課税業者を選択する場合、簡易課税を選択できる特権があります。
今のところ、簡易課税でも適格請求書発行事業者になれるようですので
(今後、税務署の方針が変わるかもしれませんが)
簡易課税の特権を活かせれば、インボイスのデメリットも最小限で
食い止めれるのではないかと思われます。
簡易課税に対して従来の消費税納税方式を本則課税と言います。
年商が5000万円を超えると簡易課税が選択できませんが
建築業の場合3000万円あたりが分岐点で
それよりも年商が多いと本則課税の方が有利だと言われていますので
簡易課税を優位に活用できる方は年商2000万以下の職人さんと思ってください。
本則課税は
年間で受け取った消費税から年間で支払った消費税の残りを納税する方式で
簡易課税は年商x消費税率10%xみなし利益率になります。
ここで言うみなし利益率は営業利益のことではなく
本則課税で言う年間の
(受取消費税ー支払消費税)÷受取消費税x100%になります。
要する消費税がいくら儲かっているかと言うことです。
一般に建築業の場合30%と言われていますが
これは製造業に分類される建設業の属す解釈のためでありますが
現実は手間請けだとその他の業種扱いになるため40%のケースも伺っています。
もっと極端な解釈をすると手間だけを売る業種の解釈になると
分類がサービス業になり、みなし利益率50%になることも考えれられます。
ですから手間請けの方は、こじつけで資材(金物)持ちの建築業とすれば
お役人さんは許してくれるかもしれません。
仮に年商が800万として簡易課税の課税業者を選択すると
納税額が800万x消費税率10%xみなし利益率30%=24万円となりますが
簡易課税を選択しないと元請けは
大工さんの支払額800万円x消費税率10%=80万円の損失が出ます。
但し、インボイス制度が始まっても、当分の間は経過措置が取られる予定で、
2023年10月1日から2026年9月30日までは80%、
2026年10月1日から2029年9月30日までは50%、
それぞれ仕入税額控除から一定の割合を登録事業者でなくても
控除できるようになっていますので、
高齢の職人さんは、そのまま放置するかもしれません。
でも元請けは下請けごとに、
「この大工さんは免税で?こちらは課税?」
では事務処理が大変なので、強制的に課税業者を強いられるでしょう。