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鉄工用チップソー

大工さんにはあまり縁がないかもしれませんが

最近は在来工法で軽天工事を行うことがありますので

鉄工用のチップソーを使う機会もあるようです。

鉄工用と言いましても、トタン用と一般鉄工用ではちょっと違います。

大雑把な見分け方として

切り込み制限を掛けるアタリがあるかないかで見分けると良いでしょう。

 

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上がトタン用(金属サイディング用)で

下が一般鉄工用になります。

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今回は刃の大きさが違うのであまり違わないように見えますが

基本的には一般鉄工用の方が粗くなります。

理由は、刃が摩耗しても切ることができるためでしょう。

軽天材の場合は切り込み制限のある一般鉄工用の方が適していると言われます。

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切り込み制限があることにより、鉄板が引っかかって喰いついたり

切り口を歪ませることを防止します。

それと、木工用を違うのは、すくい角がほぼ円周に対して90度になっていること。

(半径に対して言うことが多いですが、今回は分かりやすいように表記します)

木工用チップソーは刃が材料を引き上げるようにすくい角を鋭角にします。

そのため切断中にマルノコ本体が浮きにくくなります。

鉄工用はすくい角を鋭角にすると鉄板を引き上げてしまい

刃が食いついて危険な状態になりにくくしてあります。

その代わり、多少マルノコが浮きやすいので刃をある程度出して使った方が良いでしょう。

 

鉄工用のチップソーは、

「切断砥石と比べて刃が減らないから良い。」

ランニングコストは切断砥石の方が安いです)

「全ねじを切ってもバリが出ないから良い。」

(切れなくなるとバリがでますが、バリ取りができません。)

など、間違った噂が横行していますので勘違いしないでください。

それとステンレスは極端に寿命が短いので注意が必要です。

それと軟鉄とミガキ棒鋼の違い。

一般に黒皮が付いている軟鉄は鉄の中で一番軟らかいので

分厚いH鋼が羊羹のように切れます。

切断砥石では切れないフラットバーの重ね切も可能です。(但し完全固定が必要)

ところが全ねじのような材料はミガキ棒鋼を使用しています。

これは少し硬い鉄なので軟鉄と比べ刃の摩耗速度が倍以上早くなります。

 

それともう一つ

全ねじやパイプの束切りは、絶対にしないでください。

切断中に荷崩れが起きると、一発で刃がダメになります。