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作り手から使い手までの距離

昨日、至急必要とのことで大日商に商品を取りに伺いました。

いつもなら、いつもの問屋さんの帳合でお願いするんですが

今週末、別の問屋さんの展示会に行くので

現地でお互いに気まずい思いはしたくないので

展示会を行う問屋さんの帳合で商品を頂くと

若い女の子営業が「挨拶をさせてください。」と名刺を頂きました。

さらに「今回の展示会でこんな企画を行いますが要るものはないでしょうか?」

と営業トークを始めるが現在の大工工事は、ほとんど切る作業と付ける作業ばかり。

加工をするルータービットなんて売れない。

でも大日商の中で唯一切る刃物がある。

それはフラッシュビットである。

でもフラッシュビットは本来の目的と違う作業で使われている。

若い営業、ましてや女の子だから知る由もないので

「時間があったら、営業ネタをお話ししますが。」

「お願いします。」

とのことでフラッシュビットの本来の使い方から説明が始まる。

 

「フラッシュって言うのは本来家具や建具に使う・・・・

今の大工さんはボードと合板をくり抜くのに使うが・・・・」

話初めの頃に定年直前の営業の上司が入ってきたが話の加わりたくないのかスルーする。

そのあと事務所の奥にいる若い営業の上司の耳がダンボのように見え

視線が合うとこちらにやってきて挨拶をしていただく。

さらに話を続ける。

「プラスターボードは簡単に切れるが埃がすごいので6x6(軸径x刃物径)を使うが合板はボードのように軽く切れないので刃物の切れが悪くなると強く押さないと切れないために超硬の付け根で折れてしまう。そのため合板は6x8を使う。

刃物径が6mmだと台金は半径1mmくらい小さくしないといけないので刃物の付け根径は約4mmだから折れやすいが、

刃物径8mmだと台金径は約6mmなので軸径をほぼ同じ。

このあたりのことをほとんどの販売店が把握できていないし、

メーカーが理解していればパッケージに何らかの表記があるはずであるが

フラッシュビットは家具建具に使うことを目的としているので

メーカー側にも理解が欲しい。」

と言うことを伝えた。

現実問題として、全くの新製品を作るのであれば消費者の意向を伺うが

在来品やその改良品レベルでは、そんなに現場に伺うことはない。

今回は、刃物メーカーの話であるが、機械メーカーでも同様のような気がする。

 

大昔の大工道具は職人さんが鍛冶屋に直接足を運び、作ってほしい道具を鍛冶職人に直接依頼した。

そんな良き時代があったことも多くの方に知ってほしい。