シャクリなしの防塵マルノコが未だに毎日売れております。
これもひとえに皆様方のおかげでございます。
あらためて感謝の意を表します。
この防塵マルノコANW422EDMは電子マルノコになります。
電子マルノコの定義はモーターの電子制御が入っていること。
でも本当の売れている理由は違うところにあります。
メーカーは回転が安定しているから綺麗に切れると言われる方がみえますが
それは全く逆で電子マルノコの方が切断面が電気マルノコよりも遅いので
切断面は粗くなります。
無負荷回転の時の回転数が遅いので空転時の音が静かとも言われますが
切っている時の音は同じなので大きなメリットになりません。
一番のメリットは”本体が軽いこと”
これ以上でも以下でもありません。
マルノコの中で一番重いモーターを1クラスか2クラス小さいモーターにして
無理をしても壊れにくいように負荷が掛かるとモーターの電流値を下げて
壊れにくいようにしています。
ですから”電子マルノコ=小型モーターマルノコ”と言うべきでしょう。
ソフトスタートが付いているから起動時反動が少ないと言われますが
これは、その機能をわざわざ付けたわけではなく
負荷が掛かるセンサー入っておりモーターの回転数が遅くなると
電流値の制限を掛ける回路が入っているため
起動時にもこれが働いてしまって回転が遅いから起動時のパワーがないために
ゆっくり回ります。
ただ、その昔、電気マルノコの深切にソフトスタートが無かったため
起動時反動で使えなかった過去の問題がありましたが
起動時反動は深切限定のものです。
深切マルノコは刃をたくさん出すために刃物軸とモーター軸の間にもう一軸入っており
本来ならモーター軸に接している刃物軸がギヤを介して逆に回転します。
すると丸鋸起動時にモーターが起動するために起こるハウジングの抗力と
刃物が起動するために起こるハウジングの抗力が逆方向のために
打ち消し合ってハウジングが動きませんが
深切マルノコはモーターと刃物軸の間にもう一軸あるため
モーターと刃物が同じ方向に回転します。
そのためモーター起動のために起こるハウジングの抗力に
刃物が起動するために起こるハウジングの抗力が加算され
本体が刃物の反対方向に回ってしまい、それを打ち消すようにマルノコを押すと
回転が安定するときに本体を押しすぎて刃がガツンを被切断材に食いついてしまいます。
そのため、現在の深切電気マルノコにはソフトスタート機構が付いています。
この機構は電子マルノコ方式ではなく起動時から約1秒間だけ半波(交流の+側のみ)
を使って弱い起動で回し反動を抑えています。
ですから、”電子マルノコ=ソフトスタート”ですが
電気マルノコの深切はソフトスタート機構が必須となります。
これを踏まえて昨日依頼された電子マルノコの修理品。
症状は主軸が空転しています。
右奥の中間軸が入るニードルベアリングのニードル(細い棒)が外れて
枠も歪んていますので、中間軸がモーターから腰が引けた状態で
そのまま使ったのでギヤが斜めに摩耗してしまっているので
相方のモーター軸のギヤも減っています。
電子制御だからって絶対壊れないわけではありません。
これ以上負荷を掛けると止まってしまうギリギリのところで長時間使うのが
一番よくありませんので、ご注意願います。