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平行微調整のおさらい

昨日、来週仕口加工機の修理に伺うところの親方が見えた時

「俺のマルノコ定規で切ると刃が逃げてっちゃうんだけど直る?」

この話は何度もしていますが、まだ理解できていない方も多いのでおさらいします。

この場合の原因の大半は刃とベースが平行ではない状態。

原因はもちろん物理的な事故であると思われます。

悪い箇所は、その昔はギヤカバー(刃の上のカバー)の前方が曲がって

平行ではなくなることが多かったのでギヤカバー交換していたが

最近は造作マルノコを使わなくなったので鉄板のベベルプレートの曲がりが多い。

でも最近もマルノコの大半に「平行微調整機構」と言うものが付いているので

これで直りそうであるが、現実は直らない。

理由は、メーカーはマルノコの刃を全開で使う前提で考えているからと思われます。

大工さんの場合、マルノコ作業の90%以上は刃を全開にしていないと思います。

平行微調整機構はマキタのHSシリーズを除き

すべてベベルプレートあるいはリンク部分を平行に動かしています。

刃が全開なら動かさない側を軸に平行移動した分だけ平行が修正できますが

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刃が全開でないと前方だけで固定されているので

前方で微調整の場合、

本体が平行に微調整できますが平行に動いたので平行度は同じです。

後方で微調整の場合、

フリーのリンクの付け根が動くだけなのでベースと本体の位置関係は変わりません。

 

マキタのHSシリーズの場合に限り、平行に動くのではなくベースの分度器部分と

ベースが1個の部品ではなく別々の部品のため、取り付けネジを緩めると

刃とベースの平行度がフリーになりますので、丁度いいところで固定できます。

でも、このことを正確に説明できる営業マンがほとんどいないので

マキタのマルノコの売上UPになっていません。

 

ですから、ベベルプレートが曲がるのを回避するため、

定期的に部品を補充しています。

この部分に関しては採算度外視しておりますので、あまり儲かりません。