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取れないネジ

昨日、中古のホゾ取りの注文を頂いたのですが

まだ刃が切れるのに「刃を研磨して!」との依頼。

そのため刃を外します。

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横鋸も結構締まっており、インパクトドライバーで取りましたが

縦鋸の刃のねじがビクともしない。

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すでに六角穴が舐めています。

おそらくレンチで目いっぱい締めたのではないかと思われます。

+ねじでも同様ですがドライバーの入る部分が舐めるまで締めたら

普通は同じ工具使う前提では取れません。

理由は、ねじを外す際、最大停止摩擦力が働くため

締めた時の3割増しのトルクが必要になりますが

締めたトルクで+穴が舐めたら同じトルクの3割増しのトルクで回すため

+穴の方が逝かれてしまいます。

今回は六角穴ですが、+穴と同じことです。

なべ頭のボルトなら頭の外周を回せば六角穴の耐力よりも大きな力が掛けられますが

今回は皿ネジなのでその方法は使えません。

どうしても交換する場合はフランジごと外してフランジをバイスで挟んで

タガネで斫って取れると思いますがネジも要交換なので

追加料金を5000円ほど頂かなければいけませんが

依頼者は払いたくないようで

 

「溶接すれば簡単に取れるだろ。」

・台金が歪んでしまいます。

「接着剤を付ければ取れるだろ。」

・人の迷信を聞かないこと。

「交換するときに現場で替えて。」

バイスがないのでできません。

 

とにかく、今回は研磨の必要のないレベル。

 

300本突くから研磨してほしいとの依頼ですが、お金が出せないとのことで

今回は縦刃の交換をしません。

 

ネジが舐めたら、どうやって外す?

と言った時に「こうすれば取れる。」と言われる方は無責任な方です。

できれば「こうしたら取れるかもしれない。」でお願いします

 

間違った噂がはびこってしまいます。

 

ネジは舐める直前まで締めた時点でその3割増しの力がないと外れません。

そのため、今回のレンチは

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締めるときは赤ラインで締めてくださいと記載してあります。