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今、上がらないモノは?

木材などの建築材料費の高騰だけでなく当店関連も影響が出ています。

マキタが7月から値上げとなりましたが

工具関連で値上げの話がなかったのは建築用電動およびエア工具くらいでしょうか?

木工機械も順次値上げしています。

金属材料費の高騰や海外依存率が高いために

円安の影響を受けメーカーの仕入れ価格が高騰しています。

手道具も順次値上げの話が入っております。

金物材料も当然ながら値上げしておりますので

金物持ちの手間請け大工さんは坪当たり1000円前後の負担が必要になりそうです。

こんな世間話をすると決まって

「上がらないのは俺の給料だけ!」

なんて言われることが多いですが、建築関連の職人さんの場合は

給金は上がりませんが平均年齢はまだまだ上がり続けています。

先日S林業一筋の若い大工さんと、今の話をしたんですが

他の会社の仕事をしたことがないから

大工さんの賃金が高いのか安いのか分からないと言われました。

そこで大工さんが云々ではなく、同年代のサラリーマンとの比較の話をしました。

こちらはトヨタのおひざ元なので平均賃金が少し高めです。

おおよそ年齢の8掛け(30才なら24万円)が手取りと言われます。

ただサラリーマンの手取りと大工さんの手間請けや常傭では条件が違いますので

比較するときは年収で比較した方が良いでしょう。

(月収だとボーナスが加算されません)

サラリーマンの年収はおよそ手取りの20倍。

だから目安として30歳だと480万円。この辺りが大工さんとイーブンでしょう。

でも40歳だと640万円、50歳で800万円、この先はあまり上がらないらしいですが

退職金が年収くらいでますので40歳以降に大工さんは同年代に水を開けられます。

しかも土曜日祝日休みに有給がありますがS林業の大工さんは

「これは、分かっているから諦めている。」とのこと。

こんな状況だから若手の大工さんが増えない。すると

「大工さんが足らないなら単価が上がるはずなのに上がらないから間に合っているんじゃないの?」

と言われる方もおられますが、単価が上がったら総工事能力が増えますか?

答えはノーでしょう。

仮に日当が50%上がったら仕事量を3割減らしてもまだ日当が多いですから

60歳以上の大工さんは働かなくなるでしょう。

工事能力を増やすためには単価を下げた方が効果があるでしょう。

でも、これは、あってはいけない話。

そのため外国人の大工さんも増えつつありますが戸建ての責任大工さんの領域までは

まだ受け入れないようです。

今、問題の職人さんの高齢化の中に問題が起きています。

サラリーマンなら定年の年齢期にいる70近い大工さん。

単価がいくら安くても「俺はこれだけあれば食っていけるから。」と文句を言わない。

本当に仕事が遅い方なら問題はありませんが

若いころから慣れていて目を瞑ってもできるくらいの大工さんが

「俺はこの単価で問題ない。」と言うのが問題!

子育て世代のお金が必要な時期の大工さんが人並みの生活が送れる賃金を

元請けが出さないと大工さんはますます減少します。

そのため、これから必要なのは同業同士の団結力を上げて

最低賃金を確保できるような仕掛けをしないといけないと思います。

「あの大工は儲けすぎだ!」なんて言うのは禁句です。

利益を上げて相場を確保している大工さんは大工さんの味方です。

職人さん方の環境をよくするため業界全体のことも考えてみませんか?