今から65年くらい前に大工さんの道具の電動化が始まりました。
最初は電気カンナではありません。
その前に電気ドリルが普及し始めました。
それまでは木工ドリルの手回し型でボルト穴やほぞ穴の下穴を掘っていましたが
両手ハンドルの〇ソ重たい低速の電気ドリルが重宝されました。
当時の金額は大工さんの日当の1か月分くらいしたそうですが、
それでも元が取れたらしいです。
その後に電気カンナが発売され、大工さんの道具から粗仕込(アラシコ)と呼ばれる
手鉋が消えていきました。
電気マルノコの普及で両刃の尺一寸鋸が消え
丸太はつり機が出るとヨキとチョウナが消え
プレカットが普及すると刻みの道具が消えました。
最近は125mmの充電マルノコの普及でゼットソーが極端に売れなくなりました。
マルチツールの普及で鑿が売れなくなりました。
それと去年の秋から急に売れなくなったもの?
それは165mm電子マルノコ。
飽和状態の意味もあるとは思いますが
おそらく充電式の165mmマルノコの普及によるものが要因だと思います。
重さは充電式のほうが重いですが
コードがないということだけでも作業性が大きいようです。
「充電式だとパワーが・・・?」
と思われがちですが電子マルノコもパワーがありませんから変わらないと思います。
既設のところを切るのは125mmで
作業台で切るのが165mmと区分けして考えれば納得できる部分もあります。
工場の設備工事屋さんあたりは最近ほとんど充電式に変わったそうです。
だいたいが、工場で電動工具を使う場合入り口の関所でアースプラグが付いていないと
道具の立ち入り禁止を食らうとか。
二重絶縁マークがあれば、本当はOKなんですが門番がそんなことを知らない方が多いので、フリーパスの充電式が普及したなんて言われていますが、
本当に普及したのは広い工場での作業に5mコードでは話にならないとのこと。
今後も売れていく道具は変わっていくと思います。
古い道具も修理しながら新しいものにも対応していかないといけません。