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滑りにくい+(プラス)ビット その1

昨日のあるなしクイズは難しかったでしょうか?
問題の内容は大工道具屋からは、外れていませんので、そのつもりでお願いいたします。(これもヒントですね)


今は何でもビス締め。
釘と違って、寄り付くし、下地が宙ぶらり状態でも引き付けることが出来ます。
便利な時代になりましたが、その手間が浮いた分、手間の単価が下がって、工期が短くなって、仕事量も減って、何もいいことがないですね〜。
得をしたのは、お施主様か?ならいいのですが、ひょっとしたらハウスメーカーなどの元請かもしれません。
このビス締めにはビスの品質が良くなって、価格も安くなり、それを締めるインパクトドライバーも安くて性能が上がりましたが、
それにつれて+(プラス)ビットがあまり進化していません。
それでも、少しづつ、よくはなっていると思います。
今から20年前までは、建築現場には両差しの+ビットしかありませんでした。
一応+の片差しビットもありましたが、片方しか使えないのに、1本の値段が高くてほとんど売れませんでした。
インパクトドライバーが普及するまではクラッチ式のドライバーを使う人のためベッセルの+ビットに一番硬い「X」というビットがありました。
現在はほとんどが1ランク軟らかい「H」を使っています。
ちなみにベッセルの場合軟らかい順に「S」「E」「G」「H」「X」となっています。
以前はサッシの組み付け専門の作業をされている方などに「H」は折れやすいから「G」を指定される方も見えました。
でも、現在はインパクトの使い方が良くなりましたので、皆さんは「H」で一番適した締め方をされているようで、「H」以外の+ビットのオーダーはなくなりました。
10数年前に自分で修理に使う+ビットをもう一工夫できないかと考えてみました。
修理の時にはずす+ねじには大抵ごみが詰まっていて、予めごみを綺麗に取らないと+が滑ってしまいます。
全く入らない場合はいいのですが、中途半端に入ると滑ります。電動工具のねじは焼きの入ったコーススレッドとは違い、焼きの入らない軟鉄のため
きちっと+に挿した状態で緩めないと+がなめて、機械がばらせなくなります。
(その時は+をハンマーで叩いて再生するか、中心にドリルで穴を開けて頭を飛ばします。)
そこで、思いついたのが今のスレンダービットです。現在販売されているのは自分がその時に作ったものとほぼ同じです。
まずはこちらをご覧下さい。
こちらが普通の+ビットです。+溝よりもビットの+部分の方が大きいので斜めになると掛かりが浅くなり滑りやすくなります。

次にこちらがスレンダービットです。+の溝とビットの+部分がほぼ同じため斜めになった時、普通のビットよりは掛かりが大きいです。
※実際はここまで極端には傾きません。
そのためにすべりが少なくなります。また、奥に入る分、中のごみを揺すった時に、ごみを欠き出しやすい利点もあります。あとで説明しますが、折れにくいトーション効果もあります。
続きは明日。
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