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また去りゆく金の卵

三日前に、
ある大工の親方(と言ってもまだ40代)から電話が、
「ウチの若い衆借金いくらある?」
「○万円くらいですが?」
「アイツ大工をやめるんで、道具代は俺が払って、その分給料から天引きするわ。」
このお弟子さんウチの娘と同じ歳なので高卒5年目。
真面目で働き者なんですが、何がいけなかったのか?
周りに若い大工さんがいないし訓練校にも行ってなかったし、
付きあっているのは学校時代の同級生ばかりなんで、サラリーマンとのギャップがあったのか?


次の日、親方が来たので、そんな話をしたら、
「アイツ現場で親会社の言うことを聞かないんで出入り禁止になってたから・・・。」
おとなしすぎてコミュニケーション不足だったのか?
また一人金の卵が消えていくのか・・・。


一昨日も削ろう会で優秀な成績を上げたこともある20代の大工さんだった子が久しぶりに来店した。
昨年限りで大工さんをやめると言っていましたが、やはりリフォーム会社の従業員に転業した模様。


そう言えば昨年、娘と同年の大工見習いの子が、妹の同級生(建築業)に大工見習いとして入社した。
どこの子か尋ねたら、少し前にウチのウッドデッキの木材を持ってきた大工さんの息子さんだった。
お父さんは私と同じ歳で、今は仕事がないので、大工さんをせずに、奥さんの内職を手伝っているらしい。
最近見ないので、どうしたか職人さんに聞いたら
「まだ言ってなかったっけ?アイツやめたよ。」
「大工さんも?」
「たぶん。」


ただでさえ、絶対数が少ない職人さん。
今はシルバー世代が奮闘しているから、何とか賄えているが、
数年後にはパンクします。
修行が続かないことにも問題点があるかもしれませんが、
職人さんが育たない社会にもっと問題があるような気がします。


先日、愛知県知事の大村秀章さんが言っていました。
「私の父はごく普通の大工でしたが、当時は職人の景気が良かったから自分を含めて男の子3人大学に行かせることができた。でも、今の職人では絶対に無理である。もっと末端が潤えるような社会にしないといけない。」
大村秀章さんは東大法学部卒である。
同じ東大法学部卒の知事がどこかにいましたね。
それではまた。