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チップソー

最近2x4のパネル工場のチップソーの研磨を預からせていただいております。
一番大きいものは直径650mmで刃の重量だけで10kgぐらいあります。
何の機械かと申しますと3次元クロスカットソーと言って送材装置の動きに合わせて
チップソーが傾斜したまま横方向にスライドして木材を縦方向に槍のような角度でも切れる機械です。
逆に小さいものはボード用薄刃なんかは直径80mmでチップ厚0.8mm台金厚0.5mmで風が吹いたら
飛んでいきそうなものまであります。


チップソーは現在190mm程度のものはプロ用で1200〜3000円とさまざまですが、
製作している工程からするとえーっこんな安いの〜って感じです。
その工程は
1:台金の型抜き
2:台金の刃抜き
3:台金の焼入れ
4:台金のひずみ抜き
5:台金の磨き
6:台金のチップ溝きり
7:チップのロウ付け
8:チップの両サイドの研磨
9:台がねの腰入れ(半径が真ん中の円周上にローラーで伸ばし切断時に伸びる外周とつりあうようにする)
10:台金のひずみ直し(腰入れで不安定な台金を平らにする)
11:チップ研磨(あご・上目)
12:スリット加工やリーミング加工
13:めっきやコーティング
14:梱包
以上ですが、特にひずみ直しの仕事は一人前になるのに10年掛かるといわれています。
でもこれだけ手間が掛かっているのに千数百円で売られているっておかしくありませんか?
実は安いチップソーは3の焼入れ4のひずみ抜き9の腰入れや10のひずみ直しなどを
省いています。
この工程を行っているのもすべて職人さんなんです。
職人さんのアイテムも職人さんが作っています。
お互いの気持ちを感じながら仕事をしていただけると宜しいかと思います。
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