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電動工具を安全に効率よく使うには

昨日は初めてアクセス数が1000件を越えました。ごらん頂いた皆さんありがとうございます。


十年ほど前の話です。
お世話になっていたある建築会社へ伺った時、大工職をして見える従業員が20名近く見えていたのですが、
刃物は切れなくても関係なく使ったり、自動の角のみを無理やり使って刃をすぐ割ったり
再研磨した刃物に保護の樹脂を被せてあるのを切れない刃物と間違えてゴミ箱に捨てたり
一番気になったのが、座彫りカッターが壊れそうな音をしながら使っているのに、回りの従業員が何も言わない。
(後でこの刃物を預かったのですが、当然ながら再起不能でした。)
作業レベルがあまりにもひどいので、社長に
「貴社の従業員は非常に素直な方がたくさん見えますが、機械や刃物の使い方がひどく、道具屋の立場からすると目に余る光景が多いので、勉強会をさせて下さい。」
と、こともあろうに自分はお世話になっている会社の社長宛にとんでもないFAXを送ってしまいました。
しかも、この社長地元では有名な大変厳しい大工の親方です。
すると翌朝、社長から返信のFAXがきました。
「これが我が社の現状です。言われることは承知しておりますが、事実そのものです。時間と食事の用意をしますので、お宅の言われる勉強会というものを行ってください。」
と言う理解のいただけた返信内容でした。
早速、従業員に配布する書類を作成するにあたり、何を書こうかな?と考え以下のような文面にしました。
(その時の書類はもうないので、私のうろ覚えで書きます。)


機械を効率よく使うには


1:刃物はこまめに換えましょう
刃物は切れないと切れ肌が汚くなります。精度も落ちます。手で押す部分があると疲れます。当然、怪我をする確率も高くなります。機械も無理をします。しかし、機械は無理をしても「疲れた」とは言いません。(でも私には機械の悲鳴が聞こえますが・・・・)
また、作業にあった刃物の選択も考えての作業をしましょう。(仕上がり重視なら細かいはでゆっくりと、速さ制度重視なら粗い刃で適切な速度で)


2:機械の異常を察知しましょう。機械はいつもと違った動き方、違った仕上がりなどの異常は見ていれば、すぐに分かります。早めに対処すれば大きな修理も未然に防げます。また新入社員のすぐ近くにいる先輩は見ていなくても、異常音ですぐ分かるはずです。基本的に異常を知るには、まず正常を知らなければいけません。通常作業音や作業状態を良く覚えておきましょう。


3:機械は高価なものです。大切にするのは当然ですが、元が取れて初めて価値がでます。機械の能力を知った上で最大限活用しましょう。
機械の能力を知った上で機械の能力を100%生かすだけでなく、工夫次第では120%でも150%にも活用することは可能です。使用者の能力しだいで機械の能力は、無限大となります。
※これはちょっと分かりにくいかもしれませんが、例えば今から30年前に釘打機が普及し始めました。釘打機の触れ込みは当初1秒間に3本打てると言うことでした。しかしただ早く打つと言うことは当時屋根に使う野地板ぐらいしかなく、あまり必要性が重視されていませんでした。
しかし、早期購入された人は打ち込む反動を利用して引きずり打ちと言われる打ち方で1秒間に7発ぐらい打ちましたし、壁を打つ時は振動がないので抜けやすいエゾ胴縁も使えるようになったし、天井を組む時は宙に浮いている材料同士を突っ張り棒をかわなくても打てるし・・・・使用者が次々に新しいアイテムの価値観を上げていきました。現在では当たり前のことなんですが、当時としてはメーカーが出した100%の能力をはるかに超える価値にしています。


しかし、いずれにしても刃物のついている機械です。危険とは常に背中合わせです。安全第一での作業を心得てください。以上
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