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先週の解答(振動ドリルとハンマードリル)

先週の問題の解答をいたします。


振動ドリルとハンマードリルの違いですが、両方を使ったことがある方なら分かると思いますが、
明らかにハンマードリルの方が、軽く当てただけで楽に早くコンクリートの穴が開きます。
ハンマードリルは電動ハンマーと同じ方法でモーターの回転をピストン運動に代え、そのピストンで空気を圧縮し、
圧縮空気でドリルを叩き、コンクリートドリルの先端でコンクリートを叩いて少しづつ砕き、回転でその面を削りながらかき出して穿孔します。
だから鉄工ドリルのように強く抑える必要がありません。
強く抑えると、かえってピストンの先の叩く部分のストロークが縮められるため穿孔速度が若干遅くなります。


振動ドリルは電動ハンマーのような機構はありません。ドリル軸に前後に数ミリの遊びがあり、その遊びの量を変えるカムというものが入っていて、
1回転のうち10回ぐらい遊びを大きくしたり小さくして使用者が、強く抑える力を利用して
微妙な振動を作ってその振動で回転のみの作業より開けやすい状態を作り出しています。
ですので、その程度(回転のみより開けやすい)の穿孔能力しかございません。


いまから30年ぐらい前、「日立やマキタの振動ドリルとヒルティでは全然ものが違う。」とか「ボッシュはすごい!」とかよく言われていまして、
これを聞いた人は「マキタや日立はヒルティより物が悪いんだ。」「ボッシュ製は物が良いんだ。」と思われていました。
でもこれは国産の振動ドリルと外国製のハンマードリルを比較しています。
これでは土俵が違うので、正確に比較したことになりません。
確かに当時は小型のハンマードリルが国産にありませんでした。
しかし25年ぐらい前に国産でも発売されましたが、前述のイメージ色が強く、いくら「このタイプはヒルティと変わりません。」と言っても、
価格が国産の方が安いのが逆効果でなかなか認めていただけず(買っていただいた人には認めていただきましたが)苦労しました。
現在では、ほとんど違和感も無くなったため、逆にヒルティやボッシュが価格を国産に合わせてきました。

それでは、また明日
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