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建築用木工機械の将来は?その3

最後に私が一番お世話になったマキタの木工機械のお話をします。
今から25年以上前は、三相の木工機械は超仕上げと研磨機しか販売していませんでした。
この機械は一昨日お話しました愛知県大府市の加藤精密という会社で作っていました。
先日この2機種を現在お使いのユーザーさまのところへ行きまして、
「お宅で買った機械ではないけど、超仕上げや直角二面かんなを移動できませんか?」
「いいですよ。」
「直角二面は飯田工業だったけど、超仕上げは・・・・?」
「加藤精密でしょ。分を決める時、下の定盤が上下する延長ローラーが使えないタイプの・・・。」
「そうそう、それ長物の時に使いにくいんだよね。なんでそんなやつを売るんだ?」
「当時としては格安でしたから。そうそう、この超仕上げと研磨機は故障した時に部品がないので覚悟してください。」
「やっぱり。」
こんな具合の古い機械が増えてきているんですよ。困ったモンです。
話は逸れましたが、マキタが加藤精密をやめた後、以前から100Vの木工機械を下請けでお願いしている飯田工業に
自動鉋LK510と手押しLJ310をOEMとしてマキタブランドで販売することになりました。
超仕上げは丸仲鉄工所にオリジナル機を作って頂き、万能機・兼用機は西野製作所のものをOEMとして発売しました。
まだ、当時はすべて”よそ者”です。
何とか、自社製品を出したかったマキタは、愛知県内の豊橋市の木工機メーカー深見工業が倒産寸前だったことを知り、
すぐに買収しました。この会社は当時直角二面カンナと固定定盤カンナは業界最高クラスの商品でした。
当然、マキタの営業マンの手に負える品物ではありません。
面倒が見れる販売店とタイアップしないと、販売できないと思ったマキタは修理ができる販売店を探し始めました。
マキタの木工機とは、その時からのお付き合いでした。
OEMの木工機は製造元で買ったほうが安いので、それまで買ったことはありません。
ノーアポでマキタの木工機専任営業がやってきて、
「こんな商品売りませんか?」
「この性能でこの価格?やりましょう!」
ということで、マキタの本社半径20kmで動いているマキタの木工機械の80%以上納めさせていただきました。


5年ほど前から新品の大型木工機械は全く売れなくなりました。昨日は数年ぶりにシンクスの営業マンが営業に来ました。
「以前まで、営業は歩合制だったんですが、売れないので歩合制だと給料がなくなってみんなやめちゃうんですよ。だから今は安めの固定給になりましたが・・・。」
と、嘆いていました。
こんな状況のなかでも、買っていただいた機械の稼動量は減りましたが、それでもちゃんと仕事をこなしてくれています。
時には具合の悪くなるときもあります。
その時、依頼があれば、最善を尽くさせていただきます。
そのためにも、部品の供給だけではなく必要な資料・データの供給をしっかり続けていくことをどの機械メーカーにも願いたいものです。
いつの日か、また無垢材や手刻みが流行る時代が来る日まで、何社か木工機械メーカーに存続していただきたいと思っております。
それではまた。
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