PVアクセスランキング にほんブログ村

新品の釘打機がエア漏れ・・・・

先日ピカピカのフロア釘打機の修理を番頭がしようと思ったら、その番頭が
「こんな釘打機知らない!代わってくれ!!」
と呼ばれ、見たらMAXのTA512/938Tという9mm幅のフロアタッカです。
実はこの機種、販売したことがありません。
今から20年位前の機械なんですが、発売期間が短かった上に当時はカネマツのフロアタッカが市場を独占していました。
しかも、先行販売しているカネマツと釘が共通でないので、売れるわけがありません。
MAXは前にも書き込みしましたが、新たな釘を打つ釘打機を発売する時は、
必ず専用の釘にして釘打機を購入したユーザーから純正の釘を購入して頂く戦略を採っています。
そのため、後発のMAXとしてはカネマツと同じ8mmのステープルを梱包用で作っていましたが、あえて9mm幅のフロアタッカを発売しました。
もちろん結果は失敗でした。
建築用の釘打機のシェアが当時は60〜70%と言われていましたが、フロアタッカはこの後57mmまで打てるタイプも発売しても、
カネマツ以外のマキタも日立も先行発売しているカネマツと釘を共通にしたため、MAXのフロアタッカはシェアをあまり伸ばすことが出来ませんでした。
話を戻しますが、お客様が持ち込んだMAXのTA512/938Tは部品補給が10年以上前に打ち切られています。
しかし、機械はピカピカです。なのにこのお客様、
「この機械は調子がいいから、MAXは修理ができないって言ったけど、ここなら直すだろうと思って持ってきたのに・・・。」
と、言っています。ちょっと話がおかしいと思ったので、
「この機械全く使った形跡がないんですけど・・・どういうことですか?」
「この釘打機、調子がいいから2台買って、この機械を予備に取って置いたんだけど、使い始めたらエア漏れで・・・・。」
これでようやく意味が分かりました。
一応、お客様が納得できるように開ける前に部品劣化の予告をして、シリンダ部を開けてみると
ジャ〜ン!予定通り、ピストンストップという名の樹脂部品がバラバラになっています。
「ピストンの上の樹脂部品が10年以上たったら使っていなくても劣化してダメになってしまったんです。諦めてください。」
「でもこの店なら何とかなるだろ!」(ウチの売った商品ではありませんからあまり突っ込んで欲しくないですね。)
「期待に沿えず、申し訳ございません。」(どうして謝ってしまうのか?)
「似たような部品で対応するとか・・・」(無理なことを言わないで欲しいです。)
「ごめんなさい。それはかなり無理があると思います。」(絶対無理!)
この後、無理問答は続く・・・・



しばらくして諦めていただきました。
でも、このお客様帰りにマキタのラジオを御購入していただきました。(ありがとうございます!)
皆さんも釘打機は部品が8年くらいで使わなくても自然劣化して使えなくなります。
部品の補給も製造を打ち切って8年くらいで部品補給中止となります。
ということは型落ち寸前の機械は8年間修理しないと8年間しか使えないことになります。
あまり予備の釘打機を購入することはお勧めできません。
普通の電動工具は自然劣化して使えなくなる部品はないから問題ありませんので、お間違いないように!
402630