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ピストンリング

たまに釘打機がエア漏れを起こして、他店の道具屋さんに修理を出したら、
「ピストンのリングが逝かれた。」って言われた。
なんて話を聞くことがありますが、そんなことは基本的にありえません。
どうしてか?
理由はピストンのリングは打つ前も打っている時もエアを止めていないからです。まずは図をご覧下さい。

これは待機中の釘打機の構造です。
引き金を引くとヘッドバルブが上がり、ヘッドバルブとシリンダの間からエアが入りピストンを押し込みます。
そのため少々ピストンリングが摩耗しても破損しても釘はこの状態から打つことが出来ます。
(極端な話、ピストンリングはなくても打てます。)
ピストンが下止点に到達するとピストンとピストンバンパの間でエアが止まるため、エア漏れは起きません。
だったら、ピストンリングは何の役目をしているか?
一つ目はピストンとシリンダとの摩耗を防ぐため。
二つ目は床を打つような向きのときにピストンが落ちないようにするため。
(よく「ピストンが落ちてくる」と言われる症状がこれです。)
三つ目はピストンを戻す時のエアを効率よく逃がさないためです。
図には示していませんが、シリンダの外側は上半分と下半分が仕切られていて、上半分には常時エアが入っています。(MAXの高圧は例外)
下半分はピストンのリターン用のエアを溜めるところです。
打ち終わると、リターン用のエアがシリンダ側面のピストンバンパのすぐ上に小さな穴があり、そこからピストンを押し上げますが、
リターンは圧力が弱いため、ピストンリングの密閉度が悪いと一番上まで行きません。
ピストンが一番上まで行かないとドライバと釘が交錯し釘を送れずステープルやフィニッシュなら空打ちになります。
針金連結釘の場合は強制的に送ってしまいますので、次に釘が2本出て詰まってしまいます。
くれぐれもこんな症状があった時はピストンリングを疑ってみてください。
それではまた。
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