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常傭と日当

昨日はリョービの件でたくさんのコメントを頂き、誠にありがとうございました。
本日、この回答を開発にお伝えいたします。
将来、結果として現れる部分があれば、
「これは私の提案が採用された。」
と自慢してください。


大工さんなど職人の保険を扱う組合として全建が有名だと思いますが、
愛知県には愛建連というローカルな建設組合があります。
この愛建連では独自に大工さんの日当を定めております。
一番最初に取り決めたのは50年ほど前の話で当時は数百円だったようですが、その後30年ほどで
23000円まで上昇しましたが実際の価格との差が発生し、20年近く価格がそのままになっていました。
それが消費税増税に伴い1000円上がるとのことです。(なぜか税込表示がありません)
しかしこの組合で決められている日当は人によって解釈が違います。
景気の良かったころは大工さんが請負大工さんのところに行ったときの日当と思っている方が多かったような気がします。
今では考えられない金額です。
現在大工さんの日当が20000円以上払っているところは僅かしかないでしょう。
50年ほど前にこの日当を決めるにあたり、当時大工さんによって常傭単価が違い、
その問題を解消するために組合で金額を統一したいきさつがありました。
以前にも触れましたがこの常傭ですが、これはお施主様が大工さんを一日いくらで占有する
雇用形態のことをそう呼ぶはずでした。
ですから、お施主様が親方に支払う金額は「常傭」で、親方が職人に支払うのは「日当」のはずです。
しかし当時の大工さんは親方から「日当」で頂くとピンハネされているようにも取れます。
また日雇人夫と同じ扱いになってしまい、職人としての立場を考えて日当よりも品位のある「常傭」と言い換えているようです。
ただ大工さんの日当は人夫の日当と大きく違うところがあります。
それは道具代と貨物車代が込みと言うことです。
一通り道具を持っている大工さんでも車と道具代で日当の2割近くかかると思います。
独立し始めた大工さんなら車や道具を減価償却並の計算をしても3割以上掛かるでしょう。
このような状況で16000〜18000円の日当では大卒の初任給並の年収です。
手取り30万円のサラリーマンが
「俺の日当は10000円(手取り÷30日)だ。大工さんは、儲かってるね〜。」
でも手取り30万ならおおよそ年収600万円で会社の保険がついて、退職金も掛けてあります。
こんな状況ですから、大工さん人口は減少の一途。
このままだと10年後には大工さんの需要と供給のバランスが完全に狂います。
一番心配なのは、バランスが狂ったときに規制緩和で東南アジアの職人さんが
日本で大工を始めたら、相場がさらに崩れ、大変なことが起きます。
そんなことが起きないように、職人さんの将来を職人さんだけでなく、お施主様・元請け、
また政治家も真剣に考えないといけない時期が迫っています。
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