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常傭の怖さ

昨日、ある大工さんから相談がありました。

内容は工事代金が頂けないので簡易裁判所に申請したところ

相手方から答弁書が返ってきて、後日簡易裁判所で話をされるらしいので

どうしたらいいのか相談に乗ってほしいとのこと。

 

答弁書の内容を見る前に契約状況を確認すると

・契約書は交わしていない

・仕事は常傭で行ってほしい

とのことであるが、新築物件なので材木屋がお施主様直では取引してくれない。

(プレカットはキャンセルがあると困るので新規大工さんでも請けてくれない。)

この辺りの部分の話を事前にされたかは不明であるが、

詳細は大工さんが責任を持つので最終的には代金を直接請求するようにされたらしい。

しかし、答弁書の内容を見ると

「大工が材木屋からバックマージンを取ろうとした」

「金物代の明細も領収書もない」

などの記述のほかに

「〇月〇日打ち合わせ0.9人工」のような記述がいくつもあるが

この部分に対しては不満は書かれていないが

「仕事をしていないのにしっかり手間代を取っている」と言いたいとも取れる。

 

まず常傭の認識から確認したが当初は

「常傭でお願いします。」と言われたところ

「日当で仕事をするということですね。」の確認に「はい。」の回答を頂いたので

問題はないとのこと。

請求書の控えも確認するとありがちな請求単位の「人工(にんく)」になっているが

人工(にんく)は一般用語ではないので単位は「日(にち)」の方が分かりやすいのではないかと思いました。

 

とにかく「常傭(じょうよう)」は曖昧な言葉。

漢字で書くと「常用」と書かれる方が多いし

棟梁の下で働く職人さんの賃金の支払い方を「常傭」と言われることが一般だが

本来は工事を請ける際にお施主様が職人さんの抱え、その拘束する日数の賃金を支払う職務形態のことを常傭と言っていました。

そのため、応援の職人さんや見習いの賃金もお施主様が支払うんですが

面倒なので棟梁にまとめて支払うことが多かったようです。

また必要な木材や下請けも棟梁に任されますが、業者もご指名が欲しいので

バックマージンを支払うことが多かったとお聞きしております。

でも、これは数十年前の話で今はほとんどありません。

 

話はそれましたが、今回の結論として職務形態はただの日雇いである。

だからただの賃金未払いである。

お施主様が妄想を広げて不愉快なので最初の請求書を手渡しした際に

「払わん!」

と言われたことを譲れないようである。

仮に裁判で勝訴しても、「支払いなさい」の命令が下るだけで

それでも払わないでしょう。

 

くれぐれも常傭には気を付けてください。