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進む職人不足

先日から「大工さんいない?」「誰か手伝ってくれないか?」
と言う連絡が入ります。
なかなか手の空いている人は少なく、今月1人世話をさせていただいただけでず。
現在、大工さんのメジアン(中央値)年齢は50代後半と言われます。
1/3くらいが60代に思えます。
20年くらい前は小学生のなりたい職業の1位だったはずなのに。
いつもコンスタントに仕事があるか分からないのに成功報酬の職人さんの年収が
サラリーマン以下ですから当然かもしれません。
でも、この事実を職人さんもサラリーマンも理解しきれていない。


先週ある大工さんが来店され、お施主様の愚痴をタラタラと毎回語られているんですが
このお施主様は現在トヨタ系のサラリーマンですが、
元大工さんで親方同士が兄弟弟子のいわゆる従兄弟弟子。
現職中から一緒にお仕事をしていた経緯もあり、今回のお仕事となっているようですが、
お施主様の方が年下で、大工を10年以上行っていたのにも関わらず
施工側の気持ちも考えずわがまま放題で、常傭で仕事をしているのに
休日でも一切仕事を手伝わず、どこかに遊びに行って打ち合わせすら時間の取れない状況らしい。
どうも地元では、
大工<トヨタ系サラリーマン
のイメージがあるような雰囲気。
大工時代の先輩だったはずなのに上からモノを申すような感じに受け取れる。
ここで大工さんに質問してみた。
「大工さんよりもお施主さんの方が年収で上でしょう。」
「それは分からん。」
「お施主さんは50歳くらいだから年収で600万近くあると思うけど、大工さんはそこまでないでしょ。」
「年収なら仕入れと外注引いた残りでそれくらいあるよ。経費引くともっと安くなるけど。」
「経費を引く前は、年商。仕入れを引くと売上利益。年収は、そこから経費を引いた残り!」
「だったら、全然勝てない!」


何度も言いますが、
個人事業主の年収=売上ー仕入ー経費
サラリーマンの年収=手取り+手当+ボーナス+所得税
およそ日当2万円で月に25日働く大工さんと月の手取り25万円のサラリーマンの年収は、ほぼ同じ。
日当で換算すると倍くらい違うように見えるが、現実はここまで違う。
(実際にはサラリーマンの方が税金が安く保険の優遇と退職金が別にあります)
これでは大工さんの成り手がないのは当然でしょう。


先日、こんな記事がありました。
http://blog.goo.ne.jp/k-hokubu/e/d9e364315ff81ce946832535ad139357
一人が声を上げても前進しませんが、職人不足は日本の危機です。
みんなで協力しあって、職務条件の改善に努めてください。