一昨日、閉店直前に滑り込んだお客様が
マキタの高圧コンプレッサーの修理を持ち込まれました。
修理のついでに相談があったんですが建前で剛床を打ちながら
構造合板も同時に使われる現場が頻繁にあるようで、
2台でも間に合わないとのこと。
3台連結すると仮設がスマートメーターを使っているらしく
大元のブレーカーを10回くらい飛ばすくらい使うと
1時間くらい電源が停止するらしい。
それを回避するために2台連結してさらに3台目以降のコンプレッサーを電源を入れずに
予備タンクとして繋ぎたいという要望であった。
通常の純正連結ホースだとタンク同士は1対1しか繋げない。
当店高圧連結ホースを使えば運転中を前繋ぎにして、停止中をタンク連結にすると
4台まで繋げるが、そういった考え方は受け入れない。
とにかく複数のコンプレッサーを後ろで繋ぐことしか考えていないからである。
しかし、いくら予備タンクを高圧で繋いでも予算対価は合わないと思うが
依頼者はそのようなことも受け入れようとしない。
なので、昨日どれくらいの効果があるか試算してみた。
N75を打つのにNV90HMを22気圧で10発打ったら
11リットルのコンプレッサーのタンク圧が12気圧下がった。
と言うことは11リットルx12気圧/10発=13.5リットル(1発あたり)
のエアが必要である。
と言うことは44気圧で16リットルのコンプレッサーをサブタンクにすると
22気圧で打った場合、44気圧から20気圧まで使ったとして
24気圧x16リットル/13.5リットル=28.4発(予備タンクの効果のみ)
これだと3x6板1枚も打てません。
ちなみに今の高圧コンプレッサーの汲み上げ速さは、120リットル/分前後。
なので1秒で2リットル。
N75を打つには約7秒必要。2台連結でも3.5秒かかる。
昔から予備タンクを使うと釘が浮くまで時間が多少稼げるが
一度浮くと復活するまで時間が掛かるので「意味がない」と言われますが
釘を浮いた状態でいつまでも打つことが問題だと思います。
この場合、釘が浮いたらすぐに作業停止すれば
予備タンクがあってもなくても回復時間は変わらないと思います。
ですから高圧コンプレッサーが2台しか回せない現場は
それに見合った作業を考えるしかないでしょう。
もう一つの方法としては釘打機をすべて常圧にすれば6気圧くらいまで下がっても
作業ができるうえ、コンプレッサーの特性として
気圧が下がると汲み上げが早くなりますので、作業性がある程度上がると思いますが
こんな話をすると、理解できないか受け入れない方がほとんどです。