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エコ住宅を考える その2

住宅を耐用年数の25年以上持たせるには、
一つ目は長期優良住宅法にもあるようにメンテナンスしやすい構造にするということである。
たとえば、床下点検口や天井点検口をつけて縁の下や小屋裏(屋根の天井の間)に入れるようにする。
特に縁の下は木材が腐食しやすいため、点検・修繕が出来る高さを取る。といったようなことである。
しかしこの方法は、住宅をこまめに点検・修繕すれば長持ちするということで、一般の方は納得されないと思います。
寺社仏閣や田舎の大きな住宅は100年でも問題なく建っています。
ハウスメーカーの造る住宅とどこが違うのでしょう。

大きく違う点

①100年持つ建物は構造材・造作材ともに天然素材を使用している。

  集成材や合板は木を薄くしたものを接着剤で接着し強度を持たせているが、
  この接着剤の正体は一種の樹脂で、空気に触れると10〜20年で風化し接着力を失い本来の強度がなくなってしまう。
  実は木の中にもタールと呼ばれる樹脂が含まれている。木ヤニと呼ばれているのがそうです。
  当然タールも風化すると木が痩せたり変形したりします。プレカット工場はあまり考えていないのですが、
  日本の大工さんが構造体の加工をするとき、なんとこの木の変形を計算し、逆算して使う位置・向きを設定し、
  木が変形しても丁度つりあって問題ない構造に仕上げてくれます。
  さらに樹脂の抜けた木は幅及び厚みが縮み、より強度が出てきます。


②100年持つ建物は構造体の大きさ(太さ)を一回り以上大きいものを使用している。
  プレハブ住宅等は住宅原価を抑えるため法基準ギリギリの太さの木材を使用していることが多いようです。
  建築基準では、通し柱と隅柱は120mm以上、管柱は105mm以上となっていますが、安物件はこの下限が仕様です。
  100年持つ建物は通し柱は180mm以上、管柱は120mmがほとんどです。
  小屋材に関しては、大きな丸太を使うことも珍しくありません。
  実際100年という年月は長く、この間地震、台風で多少の構造体のダメージもあるでしょう。
  シロアリや松くい虫などの虫害もあるとおもいます。湿気による腐敗もあります。
  こういった試練に建物が耐えていくには、それなりの強度的な余裕が必要でしょう。


③100年持つ建物を造る棟梁はほとんど地元の大工さん
  プレハブ住宅は全国ネットと言えども、その地区で売り上げが下がると営業所を撤退します。
  冨士ハウスのように倒産すると一切の責任を負いません。
  たとえ、営業所が健在でも新築時の担当営業は数年後にはその営業所には、いないことが多いようです。
  そのため新築時の担当営業は築後10年以降のことは考える必要がありません。
  良く聴く言葉ですが「25年たったら家族環境も変わるからあまり先のことは考えなくてもいいよ。」
  なんてことを言いますが、これは単なる言い訳ではないでしょうか。
  逆に地元の大工さんは、生きている間は逃げも隠れも出来ないので、将来恥をかく様な物件は出来ません。
  ほとんどの大工さんは個人経営者のため事業に失敗しても、私財を全部没収されるので簡単に倒産できません。
  棟梁はそれぐらいの覚悟で仕事に取り組んでいます。
  さらに現代の棟梁は将来のニーズに合わせて広い部屋が欲しくなったら柱や壁をはずしたりすることも考えて
  間取りや構造体を考えています。また将来はずしても構わない柱や壁を見る目も持ち合わせています。

このブログを見ておられる方で将来住宅を持とうと思っておられる方、参考になれば幸いです。
それでは、どうしたら地元のいい棟梁にめぐり合うことが出来るでしょうか。
あなたの近くに必ずいい棟梁おられますよ。今、分かってないだけですよ。