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先週の解答(高圧コンプレッサー編)

それでは先週の解答をいたします。
先週の問題は
「なぜ二つのタンクがつながっているのにシリンダは別になっているのでしょうか?」
という問題でした。お分かりになりましたでしょうか。
答えは20気圧以上を作り出すために二段階に圧縮するためです。
あるサイトの用語辞典でこんなのがありました。

二段圧縮サイクル two-stage compression cycle
圧縮機の圧縮操作を二段に分けて行うサイクル。圧縮比が大きくなると 吐出し温度が高くなり体積効率が低下する。
また吐出し温度が高くなると 冷媒の分解が起こり電動機コイル等に悪影響をおよほす。 そのため圧縮比が高くなると二段圧縮サイクルが用いられる。

ちょっと分かりにくいので解説いたします。
一般的なコンプレッサーのピストンの圧縮比は1:20〜1:30程度です。
だから40気圧なんて永久に作れません。
仮に1:40の圧縮比にしても圧縮すると空気の温度が上がり一時的に40気圧になりますが、
タンクの中に入ると冷めてしまい気圧が下がります。
またピストンが上支点の時に初めて40気圧になるわけですから、タンク内圧が40気圧近くなると
ほとんどタンクに圧縮空気が入りません。
そのため一段目の1:20ぐらいのピストンで圧縮した10気圧くらいの空気を
2段目の1:20ぐらいのピストンでもう一度圧縮して40気圧以上の圧力にします。
この原理が分かれば、圧力が高くなると汲み上げ速度が遅くなる理由も分かって頂けると思います。
またこれは、常圧釘打機より高圧釘打機の方がエアが追いつかなくなりやすい原因のひとつでもあります。
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