PVアクセスランキング にほんブログ村

スライドマルノコその1

昨日はテレビ出演しますと書き込みしましたが私のところは編集で放映されていませんでした。
一緒にいた加藤みきおさんだけが公演していたところだけで、みっともない格好をしているところが写らなかったので良しとしておきます。


今回はメジャーな電動工具のお話をさせて頂きます。
スライドマルノコが最初に登場したのは、今から25年ほど前でしょうか。
日立工機からC8Fという、スライド・左のみの軸傾斜はするが、テーブルは固定という今では考えられない機種でした。
それまでは216mmか380mmの卓上マルノコが主流で、216mmだと幅4寸までしか切れないし、380mmでも1寸板をかってやっと8寸切れるが、重量が25kgと重いのでもう少し軽くて大きいものが切れる機械が欲しいと言うのが現場の要望でした。
そこで発売されたC8Fそのまま幅8寸切れて、軸傾斜も使えると言う触れ込みでしたが、
「どうしてテーブルが動かないの?」と言われ続けそれほど売れませんでした。
1年後その声に押されたようにテーブルが左右45度動くC8FBが発売されました。
当然飛ぶように売れ、半年ぐらい生産が追いつかない状態でした。(最近はこういった商品がなくて・・・)
実はこのスライド方式で日立工機がPAT(実用新案)を取っていました。
そのため、後でお話しますが、現在もその影響が残っています。
ここで、マキタが黙って指をくわえているはずがありません。
「すぐに日立よりもいい物を作れ!」の指示が出たかどうかは分かりませんが、
1年後、マキタからLS1011という日立より材料の厚みが15mm余分に切れて、3kg軽い機種を発売しました。
すぐに私は5台注文し、お客様からも受注を頂き「すぐ持って来い!」とはっぱをかけたのに、待てど暮らせど商品はきません。
発注後1ヶ月ぐらい経った時、日立の営業から
「何でLS1011の在庫を置かないの?」
と聞かれたので、
「先月5台頼んだのに来ないんです。」
「えっ!○○金物の倉庫に行くと何台か積んであるよ。」
同じエリア内でこんなことがあれば、黙っているわけには行きません。
すぐにマキタの所長に電話
「○○金物には在庫があるのに、どうしてウチには商品が入らないの?せめてお客様の受注分だけでも回してください。」
「お宅はマキタを主体に売って頂いてないので、商品を優先的に回せません。」
(実はこれは適当な言い訳で、本当は台数割引の関係で5台づつ納めたほうが、伝票操作が楽だからです。)
「だったら、マキタさんの機械はもう売らない!」
「好きなようにしてください。」
売り言葉に買い言葉です。結局LS1011の1台目が入荷したのは発注から4ヵ月後。当然それまでマキタの機械は1台も買っていません。
結果として最初に受注頂いたお客様には4ヶ月待っていただきました。申し訳ございませんでした。
台数割引の関係で、その月末に4台入荷、当時のマキタはこんな殿さま商売でした。だから今ほどシェアが高くありませんでした。
しかし、この時入荷した残りの4台が完売するまで、3年ほど掛かりました。
続きは明日
42623