PVアクセスランキング にほんブログ村

スライドマルノコその2

12日のテレビ出演がなかったと思ったら今度は24時間テレビから出演依頼が来ました。
まだ4ヶ月先の話ですのでどうなるか分かりませんが、とりあえず次回イベントが5月末にあります。
これからそのイベントに向けて、企画&稽古頑張ります。


昨日の続きになります。


どうして残りの4台が完売するまで時間が掛かったか?
それは構造に大きな問題があったからです。
昨日日立のスライドマルノコがPAT(実用新案)を取ったと書きましたが、
この実用新案というのが、2本のスライドポール構造なんです。
だから、他社はこの方式を真似できません。
リョービはPAT回避のためスライドポール式をスライドレール式にしましたが
どうしてもアルミレールのため、磨耗が早く、発売後1年ぐらいで製造を終了し
日立から色違いのOEM品を作っていただき販売しましたが少し日立よりユーザー価格が高くなるのですぐに発売終了しました。
マキタはPAT回避のためLS1011をベース下1本ポールスライド方式で対抗したのですが、
ポールから刃物までの距離が長い上にポールが細い1本だけのため、日立のC8FBよりもモーター部の横ブレが大きく
特に45度の軸傾斜状態にすると、使用者は45度傾けて上から下に押す時、実際は45度方向に押す訳ではなく、
単純に上から垂直に押します。そのため刃物が左へよってしまい、それが原因で留め切りの精度が、かなり落ちています。
当店では、後でこのことが分かると、当店の責任になるため、スライドマルノコを購入されるお客様にこのことを必ず確認します。
そのためにLS1011が完売するまで3年ほど掛かりました。
その後、マキタは精度を上げるため太い1本ポールにしたり、下2本ポールにしたりしましたが、
最終的に上2本、下2本ポール式で現在落ち着いているようです。
しかし、この方式もスライドベアリングで受けているところが上下の2箇所あるため、まだ日立より精度が落ちます。
さらに、スライド軸が2箇所のため1箇所目が先にスライドが行き着いたときの衝撃で材料が少しズレて切れる現象があります。
木端墨が写る前レーザー式や明るい蛍光灯など日立よりも優れたところがあるのに、
一番スライドマルノコで大切な精度をPATで回避できない。これをこれから何とかしていただきたい物だと思います。
単にPATの権利を買えばいいと思うのですが、(頼んだけれど日立が拒んだかもしれません。)
例えば、高圧ホースのソケット形状。これは日東工器で作っていますが、MAXの意匠登録らしいです。
日立やマキタは互換性がないと売れないので、釘打機のプラグもホースのソケットも製作時に使用料をMAXに払っているそうです。
(そのため高圧用のプラグやソケットはド高くなっています。)


家電業界では、ユーザーに少しでもいい商品を供給するため、いい提案を出したメーカーは半年くらい販売した後、他社に権利を販売し、
いいところをどんどん商品に集めて、ユーザーにとって少しでもいい商品を供給しています。
もう少し電動工具の業界も同業者同士が仲良くユーザーのためにいいところは譲り合うことも必要ではないでしょうか?
43777