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耐震補強のホールダウン?

先日、ある棟梁が
「耐震補強で25kNの金物あるか?」
25kNの金物はあるにはあるのですが、真壁が付いてると使えないし、ましてや15kN以上は建築基準では太さ16mmで長さ700mmの専用アンカーボルトを基礎に埋めないといけません。
例えばタナカに15kNの金物でオメガコーナー15kNというものがあります。

参考アドレスhttp://www.tanakakanamono.com/contents/product/hasirasetu/has62ct.html
※「1階柱脚部の接合に際し、建築確認申請が必要な木造住宅へご使用の場合には関係行政に事前確認をしてください。なお、ご不明な点がございましたら当社までお問合せください。」という記述あり。
タナカも土台で使用されると、何とも言えませんので上記の表記で逃げを作っています。
アンカーを入れようとすれば、基礎を壊さないと理論上できませんし、基礎を壊したら返って基礎が弱くなります。
だから、耐震補強で25kNの処理はかなり無理があります。


理論上耐震補強で25kNなんていうのは、総二階の隅柱で耐震合板を貼ることになるので、棟梁には
「隅柱の耐震合板をわざと釘を粗く打って無効の構造壁にしては、どうでしょうか?」
「だったら、ここに必要な筋交い強度をどうすんだ?」
「隣面の壁の列にも構造合板を貼るんだから、それで持つでしょう?」
「そういうことか。だったらそれで設計士に言ってくるわ。」
次の日、その棟梁がまた見えまして
「設計士のヤツなかなか譲らん。25kNを20kNまで落すことにしてくれたが、アンカーが無いのは承知で10kNのプレートを矩面(かねめん)に貼れと言われた。」
と言うことで決着。タナカのオメガプレート10kNを発注。
 オメガプレート10kN
参考アドレスhttp://www.tanakakanamono.com/contents/product/hasirasetu/has65ct.html
でも数日後、検査員に指摘され土台で15kN以上はアンカーを入れなさいということでやり直しになったようです。


耐震補強する時その施工図を書かれる方にお願いいたします。
まず、出来上がっている布基礎にホールダウンアンカーは入れることが困難です。アンカーを入れなくてもできる壁量配列をしてください。
また、金物の収まりが可能なことを考えた上で設計していただいて欲しいと思います。
むやみに、金物メーカーの商品をピックアップして「これを使って」と言われてもカタログに載っている大半は金物店に在庫はありません。
そのため、運賃を掛けて1個欲しいだけでもケース単位の取り寄せになってしまいます。
収まりが難しい時は大工さんと相談の上決めることも大切ではないでしょうか。
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