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水盛缶その1

今週の問題のあるなしクイズにまだ回答がありません。
そんなに難しい問題を出したつもりはなかったんですが、外見では分からないものだったので・・・これがヒントです。
勇気のある方はお答え下さい。


先日RIOさまから頂いたテーマの「水盛缶」
昔は必需品だったんですが、今の若い職人さんは知らない人が多いんではないでしょうか?
大昔の話にさかのぼりますが、エジプトのピラミッドの水平だしにも水盛をつかったようです。
もちろん当時は水盛缶なんてものはなかったわけですから、どうやったかと言いますと、
ピラミッドの周りに樋のような側溝の跡があったようで、その溝に水を入れて水平の基準を出したと言われておるそうです。
ちなみにその側溝はセメント製だそうです。当時の人は道具なんて何もなかったわけですから、何でも考えて自ら作ったんでしょうね。
今は道具は買うものという時代になってきましたが、自分がこの業界に入った頃、
当時の水盛缶は、ブリキ製と樹脂製がありました。樹脂製は割れるからと言う理由で、高いブリキ製の水盛缶を買われる方もいましたが、
ブリキ製は水が漏れないように半田で止めてあるのですが、ブリキの半田付けというのが、意外に厄介なんです。
確かにブリキと半田はくっつくわけですが、配線用の半田ごてではブリキをくっつけようとすると、
ブリキが放熱板の代わりになって、ブリキの温度が上がらず付きません。
(半田の融点は200℃弱です。半田と他の金属がくっつくには、その温度まで相手の金属の温度が達しないと付きません。)
そのため200Wクラスの電気半田ごてか、本当の「半田ごて」を使います。
本当の「半田ごて」というのは、石頭槌の頭の部分の片方が少し細くなった形の銅の塊に持ち手が厚くならないように針金の柄が付いたものです。
この半田ごてを火で炙って使います。銅の部分が大きく捕熱量が大きいので、簡単には冷めません。
また、銅やブリキは高温になると表面が酸化します。酸化した部分は半田が付きません。
そのため、塩酸で酸化した部分を取り除きながら作業する根の必要な作業です。
しかし職人さんの人件費高騰でブリキ製は流通業界から消えていきました。
さらに、樹脂製の水盛缶に方位磁石付きの蓋が好評でした。
明日に続く。
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