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電圧降下その1

コードが長すぎたり、細かったり、タコ足配線だったりすると電圧が下がってモーターの不具合が出ます。
日立工機の研修所で学んだとき、電動工具の基準にも入力電力の基準があると教えていただきました。
その基準と言いますのは
「定格入力100Vのものは90Vまで電圧が下がっても使えること。」
と、なっているようですが、日立工機のプロ用の電動工具は85Vでも問題なく使える設計になっているようです。
電動工具メーカーだけでなく、電力会社(東電の話は聞きたくないと言わないでください)も消費者に安定した電気を供給するにあたり、
家庭のコンセントに定格100Vを送るため、電圧が下がりにくいように発電した電気を6600Vに昇圧して、供給する電流値を下げます。
(電線を通るとき、電圧降下率は電流値の2乗に比例します。)
送電コストを抑えるために重くて切れやすい銅線ではなく、鉄塔のスパンを伸ばせるアルミ線を送電線に使って最寄の変電所までなるべく小さい電流値で送電し、電圧のドロップを見込んだ110Vで各家庭まで公称電圧100Vを届けています。
(ちなみに銅線よりアルミ線のほうが電気抵抗が大きいのですが、その分太い線を使っていますので問題ありません。)
もちろん変電所に近いところでは110V近いところもあるかもしれませんが、100V製品はすべて90〜110Vで正常に使えるように設計されています。
建築現場で働く職人さんはこれから照明が必要な季節になりました。
照明を使うと電圧が低くなったことが良く分かると思います。
昔は200Wの電球が主流でしたので、電圧が下がると照明が暗くなるのですぐ分かります。
近年では蛍光灯タイプが主流になりましたが、蛍光灯は80Vくらいで消えてしまいます。
仕事をしている人は一瞬真っ暗になるので、ちょっと困りますけどすぐに復帰しますので、まぁいいでしょう。
昔、セルフバラストタイプの水銀灯を使ってる人がいましたが、これはすごく明るいんですが、電圧が下がって、いったん消えると
電球が冷めるまでの10分くらい点灯しません。これは大変迷惑です。
最近のブラシレスモーターのコンプレッサーは電圧が80Vくらいに下がると、エラーが出て一時停止する機能がついています。
マキタの200Vの直角二面カンナは電圧が170Vまで下がると全停止して画面に「電圧が低すぎます。再度電源をご確認ください。」
なんて、人間に命令します。(こういうのを「人間が機械に使われる」っていうんでしょうか?)
続きは明日。
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