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電圧降下その2

先日の話です。
いつもお世話になっている2x4のパネル工場の工場長から
「日立の高圧コンプレッサーがエラーになってしまうで、見て欲しい。」
との依頼で、現地に行き2台あるコンプレッサーのどちらもたまにエラーが出て、使用不能になってしまうとのことでした。
とりあえず、コンプレッサーの起動中の電圧を測ると一台は85V、もう一台が80Vしかありません。
フレーミングマシン(2x4パネルを組む機械)の下で見えなかったのですが、良く見るとコンプレッサーのコードが、
両方とも事務所で使う細い5mの延長コードに繋いでありました。
「工場長!このコードはダメです。直結か太いコードを繋げて下さい。」
念のため延長コードが繋がっている元コンセントの電圧を測ると最初が90V、もう一台が85Vでした。それでもまだ電圧が低いので工場長が
「これってPL法で電力会社に訴えれるんじゃないの?」
一応、元電源に一番近いコンセントの電圧を測ると、ピッタリ100Vでした。
「工場長!電圧は問題ないので電力会社にはクレームを付けられません。」
「じゃぁ、どうしたらいいの?」
「まず、90Vのところは直結してください。85Vのところは100Vの元コンセントに繋いで、30mの高圧ホースで使ってください。」
「それでお願いします。」
後日30mの高圧ホースを納品して、数日後、別件でお邪魔した時、工場長が
「コンプレッサー調子がいいです!」
私はこのために仕事をしています。お客様のためになることをして、それでお客様が喜んでくれることが最高の報酬です。
皆さんも同様お客様のために仕事をして、それでお客様が喜んでくれた時は、仕事をして良かったと思えるはずです。
今回は電圧降下のお話をさせていただきましたが、まとめとして
1.なるべく延長コードは銅線部分が太く短いものを使う。
2.コードリールはすべて伸ばして使う。
3.一つのブレーカーから同時に使えるのは20Aまで、一つのコンセントから同時に使えるのは15Aまで。
4.コンプレッサーやプレナのように消費電力の大きいものはできるだけ仮設直結で使用する。
昇圧器を使うと良いと言われる販売店がいますが、個人的にはあまりお勧めしません。
理由は電圧は確かに高くなりますが、昇圧器は内部抵抗が大きいので、電圧が下がりやすくなる電気になります。
ですから、電圧を上げても下がりやすいので、電圧がかなり落ちるような所ではあまり効果がないはずです。
でも、建築現場を見ると一番分かっていないのが、元請会社ですね。
工事に必要な仮設容量の契約が足らない現場が多すぎています。
新築戸建なら最低30Aは必要です。集合住宅なら1戸あたり最低20Aは必要です。
元請会社さん工事用電源の確保しっかりお願いいたします。
それではまた。
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