過去記事で日立の高圧コンプレッサーの制御回路が低電圧のために次々に故障した話をしましたが、
先日も20代の大工さんが「コンプレッサーの音が悪い」と言って持ち込まれました。
最初はベアリング不良かピストンとシリンダがかじっているかと思いましたが、電源を入れてみると
「ポッコ ポッコ ポッコ ポッコ・・・・・」
と元気の無い音。明らかに制御回路の不良である。
この場合、制御回路を交換しないと直りませんが、部品代が高すぎて修理の見積りが恥ずかしくて言えません。
そもそもこの制御回路とは何か?
現在の高圧コンプレッサーはほとんどDCサーボモーターを使用している。
DCサーボモーターは三相モーター同様モーター軸が永久磁石になっていて、6つあるコイルに順番に直流を流して
磁石を反発&吸引することによって回している。
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この6つのコイルに順番に電流を適切に流す回路が制御回路である。
制御回路には大電流が流れるため、無茶な電気が流れると故障するが修理が出来ないため、現在のところ壊れたら交換しかないが、
部品代が高額なため、修理せず買い換える方がほとんどである。
DCサーボモーターは効率の悪いコイルに電気を流さないため、限られた電流値で最大限のパワーを必要とするコンプレッサーや
限られた電池で最大限の仕事をいていただきたい充電工具に最適である。
充電工具の場合は良いが、100Vの場合、条件の悪い現場では、電圧不足の問題がある。
電圧が低いとコイルが作る磁界のエネルギーが乏しく、十分に永久磁石である回転軸をはじかないため、
コイルに流れる電流値が増え、制御回路の中でたくさんの電流が流れるサイリスタが焼けると言われている。
サイリスタが焼けるとモーターを回す6つのコイルのうち一つ以上がお休みになり、回転が上がらなくなる。
そのためにも高圧コンプレッサーを使用される方々には少しでも長く使っていただくために、十分な電圧を確保して欲しい。
出来る高圧コンプレッサー対策として
1.出来るだけコンプレッサーの電源プラグは仮設直結あるいはそれに近い状態にする。
2.コンプレッサーに繋ぐコードは単独で太いコード(2sq以上)で、できるだけ短いコードを使う。
3.一軒の現場で複数のコンプレッサーは避ける。できるだけ共有する。
4.照明に白熱灯は使わない。
5.湯沸しのヒーターや電気ストーブなど、消費電流の高い電気器具の同時使用も避ける。
6.コンプレッサーにコードリールは使わない。どうしても使いたい場合は全部出してから軽作業限定で使う。1.25sqコードは使用禁止。
それではまた。
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