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先週の解答(電動工具メーカーの歴史)

先週の問題は
マキタ1号機の電気カンナは発売当初はなかなか売れなかったそうです。
理由は、「大工さんの日当の3ヶ月分という高額」と言われていましたが、
本当はもっと大きな理由がありました。
それはいったい何でしょう。

という問題でしたが、即日saturusanさまにあっさり答えられてしまいました。
そうですね。当時としてはお値打ちな電気カンナを開発するまでは良かったんですが、販売網を一切持っていなかった下請けモーター製造会社である牧田電機製作所は、
商品のPRするノウハウを持っていませんでした。
最初は電気カンナを自転車に積んでマキタの職員が現場を回ったそうです。
ある時の話ですが、現場の大工さんが
「柱を10本削って、オレより早かったら買ってやる。」
と言われ、当然マキタの職員は勝負を受けないはずはありません。
しかし、この大工さん、電気カンナに対して勝ち目があるほど削り物の名人だったんです。
最初の一本は明らかに大工さんの方が早かったようです。さすがにマキタの職員は焦ったでしょうね。
柱3本目までは大工さんがリードしていたようですが、マキタの職員もコツを掴んできてペースが上がってきます。
しかし、大工さんは人力です。最初から飛ばしていたようですが、さすがにペースが上がってきた電気カンナには勝てず、
途中でギブアップして注文を頂いたという逸話が残っています。


その後、新聞公告で販売店募集を掛けたりしましたが、最終的に手鉋が電気カンナに代わるのですから、
電気カンナと手鉋は売れるルートが同じだということに注目し、
手鉋を使われる大工さんが手鉋を購入するルートをそのまま利用することで現在に至っております。
実は、数年前にマキタの代理店になったところを除いて、マキタの代理店(いわゆる一次問屋)はすべて鉋の問屋なんです。
そのためトヨタのような大きい工場で使っているマキタ製品もほとんど手鉋の問屋さん経由のようです。
ただ、手鉋と違い、電気カンナは修理の問題があります。
そのため、直接営業マンが販売店を回って問屋さんは伝票を送るだけで納品・修理は一切しない現在の形がこのころから取られることになっています。
ちなみに昭和33年1月発売のマキタ初の電動工具の写真を入手しました。
これです!

ちょっと小さい上にボケていて申し訳ございません。
この電気カンナの発売2ヵ月後、当店は創業しました。
当店の今がありますのも、お世話になった大工さんは当然ですが、たくさんの商品を供給していただいたマキタさん(なぜかここだけ”さん”付けです。)のおかげでもあります。
今後とも大工さんを始めとする職人さんの役に立つ工具の供給に努めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それではまた。
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